障害者アスリート~越えてきた壁の数だけ強くなれた

2015年2月24日

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多様性を尊重する地域社会を目指す

 2015年度中には小中学生を対象に両チーム共催のスポーツ教室を開催したいと考えている。

 どちらも日本代表選手を有するチームだけに、小中学生という将来世代へ与える影響は大きいだろう。スポーツには様々な力がある。オリンピック・パラリンピックを目指す、または金メダルを獲得するという夢を与えることもその一つだが、身体的なハンデを負いながらも夢を追う姿に子どもたちは何を思うだろうか。どちらかが支援するという形ではなく、健常者チームと障害者チームが対等の関係にあり、お互いにリスペクトし合う姿から何を感じるだろうか。

 もちろん学年や資質にもよるが、上手く言葉に表現できないにしても、生きることの尊さや諦めないことの大切さ、人と人が互いに尊重し合うことの素晴らしさを感じ取ることはできる。それが障害者への心のバリアフリーにも繋がるのではないかと考えられる。

 このように違いを尊重し、違いに価値があることを伝えることは、将来的に大きな財産を心に残すことになるはずだ。それはいじめや非行の抑制にも繋がっていくと思われる。

 どうか両チーム共催のスポーツ教室を開催し、多様性を尊重する地域社会を目指したメッセージを送ってほしい。

 ただ、現実問題として車椅子競技ができる体育館が限られているため、会場探しに頭を痛めなければならない。

 これも障害者スポーツを理解する上での大切な要素となる。

 願わくば「FOR ALL」を掲げるジャパンラグビートップリーグの企業が体育館の貸し出しに名乗りをあげ、さらに言えばトップリーガーが参加してくれたら最高ではないか! そんな上手い話がどこかのチームから出てこないだろうか? と思わずにはいられない。

 最後に横濱義塾の山内は「普段関わる機会が少ないであろう障害者とスポーツを通して交流することによって障害者に対する偏見や誤解が、良いところも悪いところも含めて、少しでも解ければ良いと願っています。両チームによるダイバーシティ推進活動を通して、お互いの競技の認知度が高まり、練習や試合に足を運んでくれる方が増えることを望んでいます」とスポーツ教室開催に向けた意義を語ってくれた。

 多様性を尊重することはスポーツの根幹である。今後スポーツ先進都市・横浜を舞台に新たな価値観を持ったスポーツマンシップを示してくれるのではないかと期待したい。

*ウィルチェアーラグビーについては「あの負けがあってこそ~試合中に指切断事故 ロンドン・パラリンピックへの焦り」の最終ページに記してありますので、併せてお読みいただければ幸いです。
http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4555?page=6

ウィルチェアーラグビーチーム「横濱義塾」(旧チーム名 横浜ホワイトハーツ)
代表:吉村潤二
活動拠点:障害者スポーツ文化センター 横浜ラポール
設立:2005年1月1日
信条:「障害、健常の枠を飛び越え感動を伝えられるチーム」を信条に全国優勝を目指します。
「横濱義塾」は頸椎損傷などで四肢に障害を持った選手などが所属し、10代から50代までの幅広い年齢層の選手、スタッフで活動しています。
日本代表:2名
2014年10月に開催された「インチョン2014アジアパラ競技大会」に出場した日本代表のキャプテン若山英史が在籍している。ちなみに日本代表は同大会で金メダルを獲得。

女子ラグビーチーム「YOKOHAMA TKM」(旧チーム名TKM7、TKM)
代表:横川秀男
所在地:〒244‐0003 横浜市戸塚区戸塚町 116医療法人 横浜柏堤会本部
設立:2011年 8月 8日
理念:YOKOHAMA TKMは、女子ラグビー日本代表選手の育成を目指すと共に、引退後のセカンドキャリアを視野に入れた支援体制を充実させ、医療法人として広く社会に貢献するための人材育成に力を注いでまいります。
ミッション:医療法人として、「One for all, All for one」 を実践し、明るく夢のある社会の実現へ向け、さらなる社会貢献を目指すことをここに宣言します!
日本代表:女子7人制ラグビー(日本選抜)4名(2015年2月現在)。女子15人制ラグビー(2014年)4名。
 

  
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