山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2015年3月17日

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 タイのアユタヤに流れるチャオプラヤ川が氾濫してアユタヤ遺跡が水没したのは2011年7月のことである。今回訪問したハイテク団地ではホンダ、日産、キヤノン、HOYA、ソニーらが洪水被害に見舞われた。400社以上の日系企業の被害は甚大であったが、やっと通常に戻ってきたので新年の挨拶を兼ねて現地の工場を訪問した。

クメールの破壊から逃れるために仏頭を土に埋めたところガジュマルの樹に包まれて再び出てきた(SHIGEO NAKAMURA)

 レアメタルを扱うハイテク企業がこの周辺には多く、洪水の後は使い物にならなくなったスクラップ材が大量に出てきたことを記憶している。そんなこともあって去年からバンコク周辺の日系企業を中心にレアメタル・スクラップを集荷する合弁企業を立ち上げた。

 パートナーはYOKOSHIRO THAILAND(09年11月設立)である。横城商事(愛知県江南市)は東海地域でレアメタルのリサイクル事業を推進してきた企業である。超硬工具の原料になるタングステンやモリブデン、タンタル、ニッケル、コバルトの回収集荷を35年にわたって行ってきたが、空洞化の影響で日本での集荷量が減少傾向になっていた。

 当社も同様でシンガポールに現地法人を設立したのを機にアセアンにおけるレアメタルリサイクルを行うためYOKOSHIROと協力して合弁企業を設立したのである。現状のスクラップ取引量では日本企業が6割、現地タイ企業が4割の比率だが、現地企業の比率が増加しておりタイ経済への貢献ができていると自負している。

 YOKOSHIROの角田賢二社長(43歳)は05年からホテル経営やレストラン経営の目的でタイに渡ったが、実家で行っているレアメタル経営を海外展開させるため、現地企業を09年に自ら起業したのである。そして2年後には折からの洪水による特需も後押しとなって好調な滑り出しとなった。

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