ツイッター発掘したSXSWで
「東大」が人気

“地方創生” オースティンが第2のシリコンバレーに


宮内洋宜 (みやうち・ひろのり)  日本総合研究所コンサルタント

東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了、株式会社日本総合研究所入社。太陽光発電、風力発電、燃料電池、バイオマス、電気自動車、先進素材など低炭素社会の実現に向けた先端技術とそのアプリケーション全般を専門とし、環境・エネルギー・交通分野に関する政策提言、新規事業開発支援に従事。著書に『グリーンニューディールで始まるインフラ大転換』(日刊工業新聞社、共著)など。

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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テキサス州の州都オースティン。ダラス、ヒューストン、サンアントニオに続く同州第4の都市は、年に一度3月の中ごろに「お祭り」を迎える。サウス・バイ・サウスウエスト(South by Southwest、略してSXSW)がこの街で開催されるからだ。筆者はとある縁からこのお祭りに参加することになった。町全体を巻き込んだ大規模なお祭りの、いわば氷山の一角を見たに過ぎないが、少しでもその空気を届けられるようレポートしたい。

世界中から20万人以上の参加者が訪れる

 SXSWは、もともと1987年に音楽フェスとしてその歴史をスタートしている。その7年後(1994年)には映画祭が同時に開催されるようになり、1998年にはSXSWマルチメディアという名称で、イノベーションやベンチャーに関するプログラムが始まった。SXSWインタラクティブと名を変えて現在に至るこのプログラムは、今でもこのお祭りの大きなコンテンツである。コロラド川沿いの市中心部にあるオースティン・コンベンション・センターを中心とし、周辺のホテルを含めた会場に世界中から20万人以上の参加者が訪れる。

今年のSXSWの様子(写真:AP/アフロ)

 このイベントのことを繰り返し「お祭り」と書いているのは、主催者側が実際にFestivalという表現を使っているからでもあるが、期間中に町全体が醸し出すどこか陽気な雰囲気によるところが大きい。電柱やポストなどにはあらかじめ透明なフィルムが巻かれ、その上から様々なイベントの色とりどりのフライヤーが貼られる。路上でのゲリラ的なパフォーマンスがあちこちで見られ、夕方にもなればバーから流れる生演奏に人々がビールを傾ける。街のいたる所でパーティが開かれ、どこまでが公式の行事でどこからが勝手なイベントなのかもはや区別がつかない。そんな混沌とした状況の中で、どちらかといえば保守的と言われるテキサスにおいても、極めてリベラルな雰囲気が醸成されている。

 米国で開かれる大規模なイベントとしては、毎年1月初旬にラスベガスで開催されるConsumer Electronics Show(CES)が挙げられる。CESはトレードショーであることを前面に出し、商談に結び付けることを特徴としている。近年ではベンチャーの出展も盛んになっており、イノベーションの担い手がいわゆる大手の家電メーカーだけではないことを強く印象付けるイベントとなっている。米国家電協会が主催しているだけあり、CESは非常によくオーガナイズされたイベントであるが、SXSWやオースティンの持つ雑多な雰囲気はよりベンチャーとの親和性が高いと感じた。

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「WEDGE REPORT」

著者

宮内洋宜(みやうち・ひろのり)

日本総合研究所コンサルタント

東京大学大学院理学系研究科化学専攻博士課程修了、株式会社日本総合研究所入社。太陽光発電、風力発電、燃料電池、バイオマス、電気自動車、先進素材など低炭素社会の実現に向けた先端技術とそのアプリケーション全般を専門とし、環境・エネルギー・交通分野に関する政策提言、新規事業開発支援に従事。著書に『グリーンニューディールで始まるインフラ大転換』(日刊工業新聞社、共著)など。

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