科学で斬るスポーツ

2015年4月7日

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玉村 治 (たまむら・おさむ)

スポーツ科学ジャーナリスト、科学ジャーナリスト

小学校より野球をはじめ、大学では投手として活躍。スポーツを科学的に分析することを得意とし、バンクーバー、ロンドン五輪、ワールドカップサッカーなどで取材。

 プロ野球が開幕し、野球ファンにはたまらない季節を迎えた。パ・リーグは、福岡ソフトバンクホークスが連覇を成し遂げるか、それを他チームが阻むか注目される。セ・リーグは、飛び抜けたチームはなく、混沌とした、つばぜりあいが演じられそうで目が離せない。

 個人では、大リーグで活躍した松坂大輔(福岡ソフトバンクホークス)、中島裕之(オリックス・バッファローズ)ら復帰組がどんなプレーを見せるか、楽しみだが、中でもニューヨーク・ヤンキースのローテーション投手から8年ぶりに、古巣の広島東洋カープのユニフォームを着る黒田博樹投手(40)は注目の的だ。3月29日の対ヤクルト戦で、苦しみながらも巧みな投球術を披露し、復帰戦を見事勝利で飾った。広島時代に103勝(89敗)、大リーグで79勝(79敗)の実績を持つベテランのすごさはどこにあるのか、優勝請負人とまで言われ、期待が集まる黒田投手の投球フォーム、投球術に焦点をあて分析した。

ヤンキース時代の黒田投手(写真:AP/アフロ)

進化を続ける適応力

 まずは、黒田のヤンキース時代の投球フォームを見てみよう。現在とほぼ同じと言ってよいが、しっかりした下半身、力みのない上半身。左足が着地寸前に、肘が肩より上の位置にあり、肩肘への負担が極めて少ない。目の上下動もなく、捕手への目線が切れることがないことからも、コントロールがよい投手であることが窺える。粘土のように固く、傾斜のきついマウンドに適応し、大きなけがもなく、大リーグの中4日のローテーションをフルシーズンこなしたのも納得がいく。

図1 ヤンキース時代の黒田投手の投球フォーム(提供:田口有史氏)
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