佐藤忠男の映画人国記

2009年8月21日

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 神奈川県出身の芸能人には威勢のいい人が多い。いま評判のオール・イタリア・ロケの大作「アマルフィ 女神の報酬」で主演しているのが川崎出身の織田裕二。「踊る大捜査線」の下っ端刑事で威勢よくとび回って人気を確立したが、「椿三十郎」の豪傑からこんどはエリート外交官と、だいぶ役の格が上った。しかしテレビでスポーツ解説なんかをやるときの、あの若さの調子の良さは忘れないでほしい。

 横浜出身の大物はまず竹中直人である。俳優としてはいつも怪演で共演者を喰ってしまうヘンな奴で、とくに「Shall we ダンス?」でのタンゴを踊るサラリーマンが凄くて、アメリカのリメーク版で同じ役をやった俳優が見劣りするのがかわいそうでならなかったものだ。監督としても優秀で、デビュー作の「無能の人」いらい、心あたたまるユーモラスな佳作が多いが、怪優としては心あたたまるだけではもの足りなくなったのか、最新作の「山形スクリーム」では出演者全員に怪演をやらせている。近頃珍しい徹底ドタバタのホラーである。でも怪演というのは誰がやっても笑えるというわけではないのだなあ。

今回も竹中直人は監督兼落ち武者役で大ハッスル。
(C) 2009映画「山形スクリーム」製作委員会

  妻夫木聡は福岡生まれだが横浜育ちである。甘い二枚目役が多いが、「ブタがいた教室」では小学生たちに複雑な問題を投げかけて議論するという難しい役を即興をまじえて見事にこなした。これは頭がよくないとやれない役である。

 阿部寛も横浜出身である。「青い鳥」では吃音の教師という難しい役を好演して評判になった。

 斎藤由貴も横浜っ子。アイドルから本格的な女優への道を着々と歩んでいる。

 窪塚洋介は横須賀出身。「GO」「ピンポン」で売り出したときは凄いエネルギーを感じさせる新人だったが、エネルギーがあまったのかマンションから転落して大怪我をした。しかし生命力旺盛でまもなく復帰。がんばれ!

 茅ヶ崎出身に萩原聖人がいる。「CURE」という心理的なミステリーで、自分を助けてくれる人物に言葉巧みに睡眠術をかけて殺人をやらせてしまうという得体の知れない犯罪者を演じたが、これはじつに怖かったし、絶妙の演技だった。いずれ名優と呼ばれるようになるのではないか。

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