世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年5月13日

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 この記事は、そういう中で、アサド政権の支配領域が縮小していること、アサド政権内でシリア軍とヒズボラなどイランの指導下にある勢力の間に不信が芽生えていることなど、アサド政権のおかれた状況について貴重な情報を与えてくれます。

 アサド政権が弱体化していることは確実です。アレッポ奪還と言いながらそれを果たせず、イドリブもヌスラ戦線に獲られています。更にこの記事にはありませんが、ISがダマスカスのヤルムーク地区を制圧したとされています。ここには、パレスチナ難民が多く住むと言われ、大統領官邸からは3kmほどのところです。

 ISは、一時はバグダッドに迫りましたが押し返され、今はティクリートより追い出されました。近く、モスルからも追い出されるでしょう。この過程で、イランの影響下にあるシーア派民兵が果たした役割は大きいです。ダマスカス防衛でもヒズボラが役割を果たすと思われます。

 もし、ISがダマスカスに入るようなことになれば、イラクで押し返され戦闘の成果がここしばらくないISを、再度勢いづかせることになります。これはISのリクルート力を強めます。

 ダマスカスでアサド大統領の力が衰え、イランとヒズボラの力が強くなることが良いのかどうか、簡単には判断できません。

  
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