世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年6月1日

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 Pacific Forum CSISのグロッサーマン及びスナイダーが、安倍総理の訪米は、首脳の訪問にふさわしいものであったし、議会での演説は共感を呼んだ、と総理訪米を高く評価しています。

画像:iStock

 すなわち、安倍総理の訪米は、日米のパートナーシップの重要性を確認し、日米関係の今後の進路を示す未来志向の文書を生んだ。日米は戦略を共有し、アジア太平洋地域や世界を同じレンズを通して眺め、同じ不安定の要因に焦点を当て、これらの問題の解決で足並みをそろえた。共同ビジョン声明は、ルールに基づく国際秩序の構築の両国の意欲を明らかにした。新たな日米防衛協力のための指針は、同盟を変革し、抑止力を強化し、両国が新たな安全保障上の課題に対応することを可能とする。

 日米同盟が安倍総理の訪米の要であったが、最も関心を引いたのは歴史認識の問題であった。安倍総理の議会での演説は総理個人の色合いを強く出したもので、共感を呼んだ。

 総理は「深い悔悟を胸に」「第二次世界大戦で命を落とした米国人の霊にとこしえの哀悼を捧げる」と述べた。

 また謝罪するとは言わなかったが、日本の「行動がアジア諸国民に苦しみを与えた事実から目をそむけてはならない」、「これらの点についての思いは、歴代総理と全く変わるものではない」と言った。これは村山談話や河野談話を尊重するとの誓いである。演説は何度も拍手で中断され、10回以上スタンディング・オベーションを受けた。

 総理訪米には雲一つなかったわけではなく、あえて言えば2、3の雲がある。

 1つは訪米中、日韓関係が十分取り上げられなかったことである。安倍総理がより前向きな発言をすれば、特に歴史的に機微なこの年に、日韓関係の改善の努力に弾みがついたであろう。

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