2024年4月20日(土)

世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年6月1日

 いま1つは、日米同盟の将来は今後の安倍総理と日本政府の行動にかかっている、ということである。共同ビジョン声明に書かれていることが実現されれば、日本は最上位の国となるであろう。米国側の努力も必要であることは言うまでもない、と述べています。

出典:Brad Glosserman & Scott Snyder‘Prime Minister Abe’s very good visit’(May 4, 2015, Pacific forum CSIS)
http://csis.org/publication/pacnet-28-prime-minister-abes-very-good-visit

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 安倍総理訪米の成果を高く評価した論評です。なによりも日米同盟の強化で大きな成果を上げたことを強調しています。日米同盟が訪米の要でしたが、最も関心を引いたのは歴史認識の問題であったとして、この問題を詳しく解説しています。第二次世界大戦で命を落とした米兵に対する哀悼の辞、アジアに関して大戦に対する痛切な反省の箇所は、総理の具体的な発言を紹介し、説明しています。今回の総理演説については、韓国をはじめ、ニューヨーク・タイムズ紙など米国のメディアの一部もお詫びという言葉を使わなかったと批判していますが、論説は総理の発言を直接引用することにより、総理の発言の重みを伝えようとしていることが明らかです。

 論説は、総理が演説で日韓関係を重点的に取り上げなかったことを批判していますが、これは日韓関係の重要性を認識していないことを表すものではありません。演説のバランスの問題もあります。安倍内閣は今後日韓関係の修復を最優先課題の一つとして取り上げていくでしょう。

[特集]日韓関係の行方

  
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