山師の手帳~“いちびり”が日本を救う~

2015年6月12日

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 また、京都人は狭い盆地の中で応仁の乱に代表されるように度々、諸国の外敵から荒らされてきた歴史がある。それゆえ、限られた土地で自分たちの生活とテリトリー、そして「京都中華思想」を守るために、独自の文化を形成することで対抗してきたと言えなくもない。

 独自文化のなかで生まれたものの一つに、商人気質がある。商人と言っても大阪商人ともまた違う。大阪商人は安く買って高く売るのが基本だが、京都の商人は元々の値段は普通でも、そこに付加価値を付けて高く買ってもらおうとするのである。極端な言い方をすれば、「これは京都でしか手に入らへんのどす」といえば、それだけで付加価値になるようなものだ。

世界に誇れる「ソフトパワー先進国・日本」

 2020年には東京オリンピックがある。安倍晋三首相はじめチームワークで勝ち得たオリンピック招致のプレゼンテーションでIOC委員の心を動かしたものは何だったのか? 日本チームはIOC委員への感情に訴えながら論理的な流れで発表し、各プレゼンターの役割は完全と言えるほどの説得力があった。

 しかし、最大の決め手は日本(東京)の持つ「安全性」「日本の文化とソフトパワー」「情熱と誇り」だったのではないだろうか。最終選考に残ったイスタンブールもマドリッドも「情熱と誇り」では勝っていても「安全性とソフトパワー」では東京には敵わなかったといっても過言ではない。

 私自身が世界を渡り歩いて日本ほど「安全で面白い国家」はない。日本の「文化や伝統」の価値を日本人自身がまだ十分に理解していないからアピールが出来ないのが残念だが、ソフトパワー先進国として世界に貢献してゆく立場ではないかと考える次第である。  
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◆Wedge2015年6月号より

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