ドローン騒動 「規制かビジネスか」の二者択一ではない議論を


塚越健司 (つかごし・けんじ)  情報社会学研究者

1984年生。専攻は情報社会学、社会哲学。著書に『ハクティビズムとは何か』(ソフトバンク新書)、共編著に『「統治」を創造する』(春秋社)、など。TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』火曜ニュースクリップ担当としてレギュラー出演中(http://www.tbsradio.jp/dc/)。

サイバー空間の権力論

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前回はISIL(いわゆるイスラム国)によるサイバー空間の諸活動を扱った(http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4942)。依然として活動が活発化するISILがすぐに崩壊するとは考え難く、同様にISILが消滅しようとも、直ぐに同種の団体が生成と消滅を繰り返すように思われる。簡単には解決しない問題だが、それ故に常に注意を払わなければならないだろう。

(画像:iStock)

 簡単に問題が解決しないことは世間に溢れている。昨今にわかに注目が集まったドローンもその一つだ。昨年まではネットや一部のメディアが小規模に報道するにとどまっていたが、首相官邸への落下事件を発端に今や多くの日本人が認知するに至る。

 とはいえ、ドローンの何が問題で、どういう利点があるかについての認知度は十分ではないのではないか。そこで今回は、最近のドローン関連のニュースをピックアップしながら、ドローンの多様なあり方を今一度確認し、インフラとしてのドローンについて思考をめぐらしたい。なおドローンについては本連載で一度扱ったことがあるため、基本的な説明は省略する(詳しくは以前の連載を参照 http://wedge.ismedia.jp/articles/-/4306)。

「迷惑行為」に「テロの道具」
ドローンをめぐる世間の認識

 以前の連載で述べた通り、ドローンは軍事、農業の用途で開発が進んでいる一方、近年ではAmazonをはじめとして「空の産業革命」とも呼ばれる荷物輸送の面でも注目を浴びている。またドローンには用途によって専用カメラを搭載することが可能であることから、人の立ち入りが困難な場所の観察や点検を行うことで、管理コストの大幅な削減が可能になる。

 ドローンがここまで注目されたのは、立て続けに生じたドローン官邸落下事件および15歳の少年による一連のドローンネット配信事件の2つのためだろう。

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「サイバー空間の権力論」

著者

塚越健司(つかごし・けんじ)

情報社会学研究者

1984年生。専攻は情報社会学、社会哲学。著書に『ハクティビズムとは何か』(ソフトバンク新書)、共編著に『「統治」を創造する』(春秋社)、など。TBSラジオ『荒川強啓デイ・キャッチ!』火曜ニュースクリップ担当としてレギュラー出演中(http://www.tbsradio.jp/dc/)。

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