世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年6月25日

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 5月のモディ訪中について、在ニューデリー政策研究センターのチェラニー教授が、中印関係の変革を求めたモディに対して中国は実質的な譲歩は何もしておらず、新しいアプローチがなければ中印関係のアンバランスは続くことになる、と批判的に論評しています。

画像:gettyimages

 すなわち、中印関係は紛争、深い不信などに特徴づけられている。二国間貿易は急速に拡大しているが、国境での衝突、軍事的緊張、地政学的対立、河川および海洋紛争は増大している。

 昨年就任して以来、モディ印首相は、中印関係の変革を模索してきたが、今般のモディ訪中は、両国を隔てる問題が依然として大きいことを示した。

 確かに、中国指導部は、西安の大雁塔や北京の天壇に案内するなど、形の上ではモディをもてなしたが、いかなる実質的問題でも譲らなかった。モディの現実的で懐柔的な方針にもかかわらず、両国のパートナーシップの完全な実現を妨げている問題への中国のアプローチを再考するようにとのモディの要請は顧みられなかった。

 ヒマラヤ国境の紛争について、1962年の戦争後に中国が一方的に引いた実効支配線(LAC)について、モディは明確化を求めたが、効果が無かった。

 にもかかわらず、モディは新たな中印関係構築を熱望し、中国人旅行者はインドに到着すると電子ビザを受け取る資格があると発表した。対照的に、中国外相は係争地域の一つArunachal Pradesh の居住者に簡易査証を発給するとし、インドの主権を掘り崩している。

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