「日中韓」関係で、曲芸的外交が
求められるアメリカ


世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

世界の流れは、時々刻々専門家によって分析考察されています。それらを紹介し、もう一度岡崎研究所の目、日本の目で分析考察するコラム。

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ワシントン・ポスト紙コラムニスト、イグネイシャスが、6月2日付同紙コラムにて、米国は日中韓をジャグル(お手玉のように空中に棒を投げ、落とさないようにすること)するような外交の展開を必要とする、と論じています。

画像:iStock

 すなわち、2年前の訪米で朴大統領は「アジアの逆説」として経済協力の進展と深い政治・安保上の緊張との断絶について語った。この不協和音は日韓間の歴史問題での対決に見られるように今もある。韓国は東京が「性奴隷」の「慰安婦」について十分な責任を果たしていないと主張している。これが両国関係を害している。

 アジアでの米国の指導力、バランスを取る動きは歓迎される。よいアジア政策とは、日中韓との強い関係の維持と3か国間の協力の奨励である。これは、米国の同盟管理と軍事力投射能力にかかっている微妙な4角プロセスである。

 この複雑な関係の表れの一つが韓国と中国の自由貿易協定締結である。キャンベル元国務次官補は、「韓国はアジアで支点となる国で、韓中友好関係は米国として歓迎すべきである」と言う。4月の成功した安倍訪米、9月に予定されている習近平訪米と今回の朴訪米(注:韓国でのMERS対策を理由に中止)は、トム・ドニロン(元オバマの国家安保補佐官、アジアへの軸足移動政策策定者)によれば、アジアでの米国の指導力への期待の高さの証左である。中国の外交官でさえ、「中国に米の役割は果たせない。カギは米にある」と言っている。

 日韓ではいま、摩擦の解消のために裏交渉が行われている。日本が慰安婦についての新たな悔恨の声明を出し、韓国は日本にこの問題を再度取り上げないとの保証を与えるというものである。日韓双方ともに「進展はあるが、まだ道半ばである」としている。韓国側は、歴史問題は深刻だが、日本との関係を他の面で発展させられると説明している。

 北東アジアの主要諸国にとり、もっとも緊急の安保上の懸念は金正恩のもとでの不安定な北朝鮮である。張成沢の処刑、玄国防相の粛清の話などで、米日韓の専門家は北朝鮮情勢を「不安定」としており、中国も特に心配している。金正恩の兄、金正男は中国の庇護下に今もある。

 米のアジア政策は、日中韓という3つの皿を回しているジャグラーのように考えればよい。この3つが回るモメンタムを維持できれば、米は成功していることになる、と論じています。

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