2024年4月20日(土)

Wedge REPORT

2015年8月14日

 日本の旅行会社は、クルーズによる売り上げが2桁成長をしており、「本格的なクルーズブームが到来してきている」として、専任のスタッフを置き、クルーズ専門の別会社を作るなど本腰を入れてきている。クルーズ旅行といえば、数年前までは一部の富裕層の贅沢な旅行と見られていたが、見方が変わってきている。

割安感の出てきたクルーズツアー

横浜港に初入港したクイーン・エリザベス(2014年3月撮影)

 その理由は外国籍のクルーズ会社が割安なツアーを相次いで発表したことで、クルーズツアーの割安感が出てきたことが大きい。世界一周という4カ月もかかる長期ツアーもあるが、売れているのは1週間から10日間の日程で、行ってみたい寄港地を効率よく回るプランだ。

 最近は一つの旅行会社がクルーズ船を1隻丸ごとある期間チャーターする手法が受けている。H.I.S.のクルーズ専門会社クルーズプラネットが今年の8月のお盆の季節に、プリンセス・クルーズの「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5800㌧、04年に三菱重工長崎で建造)をチャーターして徳島の阿波踊りや熊野の花火大会を巡る8日間のツアーを募集したところ、すぐに完売になったという。同社は最近、キューバと米国が国交を回復したのを機に、キューバ発着のカリブ海クルーズの募集を開始した。飛行機でハバナまで飛んで、イタリアのクルーズ船で1週間カリブ海を回るコース。

 クルーズの場合、費用が高いのではという見方が根強かったが、1泊に換算すると1万5千円から安いのでは1万円を切るものも売り出されており、その意味でも割安感が出て、乗ってみようかという値段になっている。クルーズプラネット広報の白瀬日央里さんは「高齢者の場合陸上でのツアーは、いくつもの交通機関を乗り継ぐため面倒で疲労感が残るが、船旅は荷物を船に置いておけるので、お手軽感があるのが受ける理由にもなっているようだ」と話す。


新着記事

»もっと見る