2024年4月16日(火)

未婚大国ニッポン~“絆”のゆくえ 「まだシングル、ずっとシングル」

2015年9月1日

 

“夫向き”の人を好きになれない

 「ネット婚活は珠玉混合」という意味で言うと、奈央さんは、別のサイトに誘導されたBというサイトで、ほかにも何人かと知り合った。そのうちの一人とは、何度かメールのやりとりをして、実際に会ってもきた。

 通信会社に勤めるバツイチで、2歳年上の38歳。別居しているが子供もいて郊外にマンションを持っている。

 「学歴も申し分ないですし、見た目もこの通り、割とかっこいいんです」

iStock

 スマホに取り込んだ写真を見せてもらうと、爽やかでカジュアルな30代が写っていた。

 「彼がバツイチであることも、子供がいるということも、それほど気にはならないんです。だけど……面白くないんですよ」

 と、彼女は声をひそめて言った。

 話をしていても、弾むことがなく、次に会うのさえ重荷なくらいだ。

 「向こうは私を気に入ってくれてるのですが、どうにも気持ちが乗りません。あー、もうお見合いも始めちゃおうかな」

 朝会を主催した女性の結婚相談所に「入れてもらおうかな」と言うのだ。

 笑顔が出始めた彼女を見て、

 「じゃあ、また聞かせてくださいね」

 と私は締めくくった。

 彼女は晴れやかな表情になって、「またご報告させてくださいね」と軽やかに立ち上がった。
 

 

“結婚向き”でないと言われ……


それから10日後。私はまた、彼女に会った。

 この間に、彼女は相談所に入る準備を進めていて、入会金10数万円を支払い、指定された写真館でプロフィール写真も撮ってきた。しかも、写真を撮るにあたっては、適当な洋服がなかったので、相談所の人についてきてもらい、ワンピースと白のブラウスの2着をデパートで購入した。

 写真代が3万円で、洋服が2着で3万円。相談所の入会金と合わせて20万円ほどを一気に払った。


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