チャイナ・ウォッチャーの視点

2009年9月24日

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◆本連載について
めまぐるしい変貌を遂げる中国。日々さまざまなニュースが飛び込んできますが、そのニュースをどう捉え、どう見ておくべきかを、新進気鋭のジャーナリスト や研究者がリアルタイムで提示します。政治・経済・軍事・社会問題・文化などあらゆる視点から、リレー形式で展開する中国時評です。
◆執筆者
富坂聰氏、石平氏、有本香氏(以上3名はジャーナリスト)
城山英巳氏(時事通信社外信部記者)、平野聡氏(東京大学准教授)
◆更新日 : 毎週木曜

 9月16日に鳩山政権が誕生したことを受け、中国政府と国内メディアは素早い反応を示した。

 新華通信社(以下、新華社)は当日の午後に鳩山首相の選出を速報で伝え、中国中央テレビも「鳩山新内閣の行方」と題した解説番組をいち早く報じた。中国を代表する二大国営メディアの報道ぶりは、中国共産党・政府の鳩山内閣への関心の高さを反映したものであろうが、温家宝首相が中国政府を代表して鳩山首相に就任への祝電を送ったのも、やはり16日当日のうちであった。

人民日報の1面を飾った鳩山首相就任への祝電

 この祝電は翌日の人民日報の1面を飾ることにもなった。その中で温首相は、「中日関係を発展させるための新しい歴史の出発点にしたい」との表現で、鳩山政権への熱い期待を表明した。実は温首相は、鳩山政権が誕生する1週間前の9月9日、日本経団連の御手洗冨士夫会長との対談ですでに、「鳩山先生に1日も早く会いたい」とのメッセージを送っていた。

 鳩山政権への中国側の期待感と基本認識をより明確に代弁したのは、鳩山政権誕生の9月16日、新華社が例の速報の後に配信した長文の関連記事である。この記事は、鳩山首相の経歴や平素の言動などを詳しく紹介した後に、その政治理念や民主党の諸政策についての解説も行ったが、その中で、「鳩山時代は日中関係に利する」との小見出しの下で、鳩山氏の対中姿勢をこう評している。

 「鳩山氏本人は日中関係を大変重要視している。彼は一貫して、日本とアジアの発展は中国に依存しており、東アジア共同体の実現も中国の協力が必要だと考えている。したがって、日中関係を強化すべきだと主張している。鳩山氏はまた、友愛外交を主張し、両国間における相互尊重や信頼関係の構築、指導者同士の相互信頼関係の強化や国民同士の相互誤解の解消を目指している。中国との信頼関係をより深めるために、鳩山氏は中国のニーズに関心を払うべきだと主張し、両国が共同利益を有する領域での協力関係の強化を図ろうとしている」

高まる期待とかすかな不安 中国側の本音とは

 このように、新華社の記事は鳩山首相のことを、あたかも日中友好の「守護神」であるかのようにベタ褒めしているが、締めくくりの部分では一転して次のような慎重な見方を示している。

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