家電口論

2015年9月14日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

 そんな中、液晶に負けることがない自己発光デバイスを使ったテレビとして注目されたのが有機EL(現在のOLEDのこと。どちらも同じモノです)です。プラズマで出遅れたソニーは特にご執心だったデバイスです。2007年には、11インチ型ながら、「世界初!」で販売してます。21世紀に入ってから、20世紀と大きく変わったことがあります。

 とにかく、基礎研究で成果がでなくなったのです。あの青色LEDも、無理ではないかと言われた基礎研究の一つですが、研究開始から数十年で一つの解答を得ることができました。

 基礎研究は、その解答が得られてないものですからね。難易度のレベルが並みではありません。基礎研究(技術)が厳しいモノは、開発研究(技術)、生産研究(技術)、評価研究(技術)全部厳しいです。

日本の会社に欠落したモノ
昔のソニーは天上天下唯我独尊

 ソニーは技術屋集団の会社と言われてきました。私からすると、表現が違いますね。昔のソニーは、天上天下唯我独尊。自分が持っている技術にとことんこだわった、極めて諦めの悪いメーカーでした。

売却されたNYマンハッタンのソニービル(iStock)

 イイ例が、β VS VHSです。市場に詳しい人なら、当時の松下電器、現在のパナソニックがVHSに荷担した時点で撤退を考えます。が、当時のソニーはそうではないですね、諦めが悪い。S-VHSが出た当時でも、ED βで対抗しました。S-VHSは画質がスゴイ、髪の毛一本一本まで見える。βに引導を渡すんだと意気込んでいましたが、いざフタを開けると画質はED βの方が上。

 天晴れな技術、そして諦めの悪さです。対して今はどうでしょうか? 経営が厳しいのは分かりますが、あまりにも諦めが良くないでしょうか? リーマンショック以降、日本メーカーは、皆諦めがよくなりましたね。

 これは、その技術、商品を作り上げた者がいなくなり、サラリーマン社長になったことも大いに関係していると思います。が、先に書いた通り、技術の根幹は、時間が掛かるところです。時間が掛かるということは、人と金も掛かると言うことです。

 こんな原則を、日本の会社が認めなくなったような気がしています。

なぜ、LGは頑張れたのか?

 有機EL(OLED)は、2014年にパナソニックが諦め、ソニーが諦めました。
その前後に韓サムソンも撤退を表明しています。諦めなかったのは、韓LG(正確にはLGディスプレイ)です。なぜ、LGは頑張れたのでしょうか?

基調講演の様子。壇上は、LGディスプレイのプレジデント&CEOのDr. Sang Beom Han氏

 ここからは推測です。韓国総合家電メーカーのトップは、サムソンです。LGは二番手。お付き合いすると分かるのですが、サムソンはどちらかというと頭で考え、OK、NGを判断します。で、NGと判断すると、実際にテストとかしていなくても、その先に進めません(例外もあります)。

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