家電口論

2015年9月14日

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多賀一晃 (たが・かずあき)

生活家電.com主宰

スマート家電グランプリ審査員。主催する『生活家電.com』を通じ、家電の新製品情報、使いこなし情報他を発信中。過去、某メーカーでAVメディアの商品企画を担当、オーディオ、光ディスクにも精通。また米・食味鑑定士の資格を有する。水、米、パン、珈琲、お茶の味に厳しい。

 パナソニックは、数十年、ハリウッドと画質の研究をしています。放送機器技術も含め、先行投資ですね。成果は、DVD、BDの画質など、いろいろな所に現れています。今回の65インチ型テレビも、ハリウッドのサポートが入ったように聞いています。メーカーが販売するのは商品であり、技術ではありません。商品は、技術の集積ですから、パネル製造メーカーよりも画質がイイのはある話です(液晶テレビもそうでした)。

パナソニックの65インチOLEDテレビ。欧州市場で、限定販売される。
写真では分かりにくいが、黒がしまっている上に、濃淡の描き分けも
申し分ない。液晶テレビとは、完全に一線を画す画質を作り出している

 ちなみに、個人的な感想を素直に言いますと、「お金を出しても欲しいテレビが出てきた!」です。

日本市場への影響

 ここまでIFA、海外で評価されているOLEDテレビの日本市場への影響はどうでしょうか? 私はたちまちのうちには影響なしと踏んでいます。まず、日本の各メーカーはテレビ事業を立て直すために、4K化に必死に取り組んでします。4K自体、声高に叫ぶほどの魅力は少ないのですが、10年前に買ったテレビの買い換えとしては、値もこなれてきています。

 一方、OLEDは……というと、高い。画質はイイのですが、1.5〜ほぼ倍の価格。しかもパナソニックの画質レベルならともかく、LGの画質では高すぎでしょう。かなり画質にこだわる人や、普通のユーザーでも、液晶4Kテレビの満足度が低いかというと決してそうではありませんからね。

 ただOLEDテレビは、台数が出ると当然値も下がりますし、制御回路も改良されますので、画質も上がります。このため数年後、「液晶、古い古い。OLEDが当たり前だろう」と言われても、おかしくないと思っています。そういったポテンシャルがあるのは事実です。

 その時に、日本メーカーはどの様な対応をいするのでしょうか? テレビ分野は、技術も、パネルも基本は海外。日本は調整回路で勝負。順当な線でしょうね。それで成功しているメーカーもあります。パソコン用にディスプレイを供給しているEIZOです。写真用、医療用他、パソコン系で高画質が必要な時は、必ず名前が挙がります。

 ただ膨大なパソコンディスプレイに対し、EIZOのシェアはすごく少ないのも事実です。少なくともテレビの中で、日本メーカーが供給するテレビのシェアとは比較になりません。要するに、何社かは、脱落すると思います。

 日本のテレビ技術とは何か? その根本的な問いに、メーカーとして答えなければならない時が来たように思います。

  
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