2024年4月21日(日)

古希バックパッカー海外放浪記

2015年10月25日

2014.3.31-6.26
~ナクソス島 5月17日~

ささやかな国際文化交流、それこそが“priceless”

 パロス島から日帰りでナクソス島を訪れた。中心地のナクソスタウンのベネチア要塞の急坂を登り頂上にあるチャペルに着いて聖画をながめていたら背後から楽しそうなクスクス笑いが聞えた。振り向くと可愛らしい二人の少女がいた。

アテネから来た従姉妹とベネチア要塞で

 二人は従姉妹であり一人はアテネの大学を卒業してナクソスの小学校の先生として赴任してきたとのこと。もう一人は現在アテネの薬科大学二年生であり従姉妹の赴任地の様子を見に来たとのこと。二人は興味津々に憧れの国、日本の文化や和食について訊ねてくる。そのうちに「ミスター、一緒にナクソスタウンを散策しましょう」と熱心にオジサンを誘ってきた。

 可愛い少女にお願いされるとオジサンとしては気恥ずかしくて逃げだしたくなったが、ここで逃げては可憐な少女たちが日本に対して幻滅するのではないかと思い、およばずながら両国国際親善に貢献しようと一緒に散策することにした。

 彼女たちはブログやフェースブックにアップするのであろうか、さかんに小生と一緒の写真をスマホで撮る。国際文化交流のためサービス精神を発揮して空手のポーズをしたり仏像の真似をしたりして自撮りのツーショット写真に収まる。

 このような軽薄かつ馬鹿げたことをしているときに、サラリーマン時代には想像すらできなかった“異次元の第二の人生”を生きていることを実感する。昔のイタリア映画のなかで奥さんに「あんた本当にバカね」と言われた主人公が「俺はバカじゃない。ただおバカなことをするのが好きなだけだ」と切り返す場面があった。私も同じことを言いたい。

 以前アメリカのクレジットカード会社のTVコマーシャルで、旅の醍醐味を“お金では買えない最高の瞬間”に出会うことであるとして、「これこそがまさにpriceless」とキャッチコピーを流していた。私にとってはおバカなことをしているときが「まさにpriceless」であろう。

ナクソス島のデロスの神殿から中心地ナクソスタウンを望む

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