2024年4月23日(火)

古希バックパッカー海外放浪記

2015年10月25日

田舎町オリンピアの地方選挙
“民主主義の発祥の地ギリシアの今”

 ギリシアはさすがに民主主義発祥の地である。普通の会話のなかに民主主義が出てくる。

 私がロードス島に上陸した4月8日は地方選挙のキャンペーンの最中であった。パン屋のオヤジにポスターについて訊ねると地方選挙とのこと。「現在のギリシアでは議論ばかりで政治が混乱している。もめてばかりで何も変えられないなら栄光のデモクラシーは死んだと言わざるを得ない」とパン屋のオヤジは格調高いコメント。

 ロードス島では素晴らしい自然環境をぶち壊すようにレンタバイクに乗った観光客が一日中騒音と排気ガスをまき散らしている。レンタカー屋の美人オーナーに「ロードス島の静かで美しい自然環境を守るため観光用レンタルバイクではエンジンバイクを禁止して全て電動バイクにするべきだ。中国製の安価なバイクを全島で一括購入したらコストも圧倒的に安い」と提案したら「ギリシアではデモクラシーの伝統がいまだ健在で、様々な意見がぶつかりあって残念ながら合理的統一的政策は実現不可能なのです」と冷めたコメント。

ロードス島自転車レースのゴールの瞬間

 4月13日、ロードスタウンの目抜き通りでロードス島自転車レースのゴール地点で選手たちがゴールインする瞬間を撮ろうと待っていた。

ロドスタウンの政治集会。真ん中で立っているのが立候補者

 すると近くのカフェテリアに沢山の人が集まって小太りの男が演説している。日本の演説会のように一方的にステレオタイプの常套句を連呼するのではなく、マイクを持って自説を展開しながら各テーブルを廻り、少し話しては聴衆の一人一人の意見に耳を傾け人々の反応を確かめている。相互交流を心掛けているのがみてとれる。聴衆も積極的に発言しており、しばしば拍手や歓声があがる。さすがにデモクラシーの元祖を自認するだけのことはあると感心した。

 5月18日夜11時半。アテネからバスを乗り継いでオリンピック発祥の地、オリンピアの町に到着。人口2000人余りの古代オリンピックの遺跡以外何もない田舎町である。小雨のなか安宿を探そうと暗い石畳を足早に歩いていると、深夜にも関わらず数軒のバーや事務所のような場所に人だかりできていた。当日地方選挙の投開票があり選挙結果をめぐり盛り上がっているとのこと。


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