世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年10月9日

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 今回サルマン国王の訪米に随行し、米・サウジ両国間の戦略的パートナーシップに関するサウジの考えをオバマに説明したのは、サルマン国王がムハンマド・ビン・サルマンの存在を米国にアピールするためであったとも考えられます(ただしムハンマド・ビン・サルマンは、5月のキャンプデービッドでのオバマとGCC首脳の会議には、サルマン国王の代わりにムハンマド・ビン・ナイフ内相とともに出席しています)。

 ただムハンマド・ビン・サルマンが次期国王になる可能性については首をかしげざるを得ません。ムハンマド・ビン・ナイフが皇太子に任命されたこと自体、ようやく国王の世代交代が実現する運びになったことで、画期的なことでした。

 それが皇太子を飛び越して、皇太子の息子ほどの副皇太子を次期国王に任命するのは、いくら副皇太子が国王の息子とはいえ、サウジの王位継承で革命的なことであり、まずありえないと考えるのが妥当でしょう。

 この論説はサウジの王位継承問題が中心ですが、オバマとサルマン国王の首脳会談で、サルマンがイランの核合意を支持したことは注目されるべきです。

 サウジはイランの核交渉に関し、米国がイランを重視するものとして不快感を表明し反対しましたが、今回の首脳会談と、発表された共同声明は、サウジがすねてはみたものの、結局は米国に頼らざるを得ないことを改めて明らかにしたものです。

 サウジがイランの核合意を支持したことで、イランの核合意の正当性はさらに高まりました。米国では上院の34名の民主党議員が支持を表明したことで、オバマによる拒否権が覆えされる可能性はなくなりました。紆余曲折を経て、イランの核合意は正式に実施される見通しとなりました。

  
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