行政刷新会議・事務局長 
加藤秀樹氏の「事業仕分け」とは


Wedge編集部

WEDGE REPORT

ビジネスの現場で日々発生しているファクトを、時間軸の長い視点で深く掘り下げて、日本の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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政権交代でガラッと変わる予算編成。国家戦略室と並んで中核的な役割を担うことになるのが行政刷新会議です。

 その行刷会議の事務局長に、非営利の政策シンクタンク「構想日本」の加藤秀樹代表が就任しました。行政のムダとりを実質的に指揮し、今年度中に4兆円の財源を捻出することを目標としています。加藤氏が、ムダとりの手法として提唱、実践してきたのが、「事業仕分け」です。

 わが国の財政は危機的な状況にあると、ずいぶん前から言われてきました。にもかかわらず、歳出は硬直化し、赤字国債の乱発が止まりません。行政のムダとりが進まず、歳出が縮減できなかったのは、なぜでしょうか。これまでも、例えば総理大臣が議長となった財政構造改革会議などで歳出削減がうたわれてきたではないか、行刷会議も同じではないのかという声が聞こえてきそうです。

 たしかに、こうした会議体では、財政健全化目標が掲げられるとともに、個々の分野、事業についても「一切の聖域なし」として、その事業費の是非が議論されてきたはずです。それらが目立った成果を生み出せなかった背景を、加藤氏は「抽象論では行政のムダは見えてこない」と指摘します。

 当然ながら、すべての事業には大義名分があります。例えば、「○○博物館を建設する。予算100億円」という事業に「科学技術の振興」という大義名分(=大目標)があるように。この大目標を、悪いという人はいないでしょう。問題は、個々の事業が大目標の達成につながっているか否かであり、その現実に切り込まないかぎりムダは排除できないのです。加藤氏が「抽象論」と言うのは、この大義名分のところの議論に終始し、幻惑され、結局はムダを見いだすことができなかったということです。

 では、事業仕分けでは、どうやってこの現実に切り込むのか。その実態は、加藤氏執筆によるオピニオン(下記リンク)に譲ります。構想日本では、2002年から地方自治体の、昨年から今年にかけては6つの省庁で国の事業仕分けを実施し、少なからぬムダをあぶり出してきました。地方自治体では、仕分け結果を予算に結びつけたところも出てきましたが、国では「参考意見」の域を出ず、実際の予算編成には、ほとんど反映されませんでした。族議員と一体になった利権構造を崩すのは、それだけ困難であったということでしょう。

 もちろん、国の予算が硬直化している背景には、地方をコントロールする国のあり方など、より根源的な問題がありますが、今回、過去からのしがらみがあまりない新政権において事業仕分けが行われることで、これまでにない成果を期待したいところです。『WEDGE』では、早くから加藤氏に、この問題について執筆いただいてきました。大きく変わる予算編成をよりよく理解するためにも、ぜひご一読ください。

「一般財源の埋蔵金 12兆円を景気対策に」 (2009年3月号)
「半分の予算でも国は運営できる」 (2005年7月号)

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