世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年10月22日

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 9月17日に米上院軍事委員会(マケイン委員長)で公聴会が開催され、ハリス太平洋軍司令官とシェアー国防次官補の発言により、南シナ海の係争海域12カイリ以内における米艦船の航行が、2012年から現在に至るまで行われていない実態が明らかになっています。

iStockより

 まず、マケイン委員長の冒頭発言の要旨は、次の通りです。

 すなわち、アジア太平洋地域における米国の国益は根強く永続的なものである。我々は、自由社会、自由貿易、自由市場、そして空・海・宇宙・サイバーにおける公共の自由を平和的に広げるため、バランス・オブ・パワーの維持を追求している。

 これに対し、中国の軍事的近代化は、戦力投射、米国の軍事力への対抗、そして西太平洋における米国のアクセス、作戦を拒否することを目的とする先進システムに力を入れている。米国に対するサイバー攻撃も、その範囲、規模、頻度が日に日に増している。このような増大する脅威は、東・南シナ海における広範かつ国際法と相容れない領有権主張と相まって行われているものだ。8月、中国外交部長は南シナ海における埋め立て活動を停止すると述べたが、最近公表された衛星画像によると、その発言が偽りであったことは明白である。中国は、埋め立てた土地の軍事化を急速に進めており、港湾、情報監視インフラ、そして軍用機を支援しうる滑走路が少なくとも3つ建設されている。

 5月にカーター国防長官は、米軍が現に世界中でそうしているように、国際法が認めるいかなる場所も、飛行し、航行し、作戦を実施する、と発言した。

 しかし残念なことに、カーター長官の演説から4カ月が経った今でも、オバマ政権は中国の人工島から12カイリ以内で米海軍が行動するのを制限し続けている。これは、中国が人為的に生み出した主権要求を認めるという既成事実を生み出す危険な誤りである。

 我々は、商業的および軍事的な航行の自由を維持しなければならない。そのコミットメントを示す最もよい証は、南シナ海の人工島の12カイリ以内で航行の自由作戦を実施することである。

 我々は、中国の急速な軍事的近代化の意味を直視し、新たな技術的優位を通じて、競合的環境の遠方から、あるいはそうした環境の中で作戦を行う戦力投射能力を保持しなければならない。そして、我々の強靭な前方展開戦力を強化するための投資を続け、アジア太平洋地域の海洋能力を強化するため、地域の同盟国・パートナー国への支援を続けなければならない、と述べています。
 

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