世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年11月10日

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 10月12日付のUSA Today紙に、元米CIA長官のペトレイアス元米陸軍大将と米ブルッキングス研究所のオハンロン上席研究員が、連名で寄稿し、現在、世界の関心は、ウクライナ、シリア、イラクその他の紛争に集まっているが、将来の国際秩序を決定するのは、もっと構造的な技術や経済等の要因である、と論じています。

iStockより

政治的駆け引きに惑わされるな

 すなわち、世界の指導者達が国連総会に参集し議論を行ったが、関心の焦点は、ウクライナ、シリア、イラク等の地域紛争であった。

 しかし、将来の国際秩序を決定するのは、もっと地味で構造的な技術や経済の変化であることを忘れてはならない。

 西側が冷戦に勝利する上で、軍事力の役割は、西側の民主的・経済的システムに備わる本来の力が功を奏するまでの時間を稼ぎ、その間の安全を保障することにあった。この点は将来も変わらない。

 米国その他の主要国が創設した第2次大戦後の国際秩序は、地球上の多くの地域で、高い経済成長を実現し、人類に多くの利益を与えてきた。

 世界の指導者達は、将来の優先課題を設定するに当たって、国内の政治駆け引きだけでなく、経済のファンダメンタルズに関心を向けるべきである。

 時間は掛かるが、経済は危機管理にも役立つ。ジョージ・W・ブッシュ、オバマ両大統領その他の多数の指導者による経済制裁により、イランを核交渉のテーブルに引き出すことができた。制裁やグローバルな石油価格の下落は、これまでのところ、ロシアの強圧的且つ違法な介入を阻止できていないが、今後、プーチン大統領にとって制約となろう。中国の東シナ海、南シナ海での政策は、時に強圧的に見えるが、ある程度の自制は示している。

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