世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年11月17日

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 オバマ大統領が10月15日にアフガンからの米軍撤退計画を見直したことにつき、ニューヨーク・タイムズ紙社説は、現在の状況が続くだけであろうとして米軍のアフガン駐留の長期化に懸念を示し、ワシントン・ポスト紙社説は、方針転換を歓迎しつつ2017年に5500人に減らす点につき懸念を示しています。

iStockより

米軍駐留でも安定しないアフガン情勢

 まず、NYT紙社説の趣旨は以下の通り。

 すなわち、オバマが、2016年末までに1000人まで減らすとの当初の意図を変え、約9800人の軍をアフガンに維持すると決めたのは、タリバンの台頭、その他の地域における注意すべき変化による。オバマの方針転換は憂慮すべきで、アフガンを安定への道に導かないかもしれないが、他に良い選択肢もない。

 オバマ政権の決定を後押ししたのは、イラク、シリア、イエメン、リビアなど政府の弱い地域でのイスラム過激派グループの領域拡大である。ISはアフガンでのプレゼンスを高めている。米当局者は、米軍の駐留維持は、アフガンをISおよびその野蛮なイデオロギーに惹かれる戦士にとり快適でなくさせるだろう、と言う。タリバンが国中に浸透している中、アフガン軍の都市防衛を助けることになるかもしれない。アフガン人が難民になるのを防ぐかもしれない。

 しかし、最もありそうなシナリオは、安全保障上の現状がもう1年続くことである。今般の決定がアメリカ人の多くのカネ、生命を毎年奪うような際限のないコミットメントになってはいけない。 

 アフガン戦争を終わらせるカギは依然として、政府とタリバンの間の停戦協議である。アフガンの指導者は、腐敗を根絶し、機能不全の政府を国民の信頼に足るよう転換する、明確で大胆な措置をとる必要もある。成否は、結局、アフガンの指導者の能力と粘り強さにかかっている。ガニ大統領は前任のカルザイより良くなっている。オバマ政権は残りの任期中、アフガンの国家統一を最終的には米軍に依存させないよう、対アフガン支援を首尾一貫した現実的な戦略の一環とすべく一層努力しなければならない、と指摘しています。

出典:‘A Grim Decision on Afghanistan’(New York Times, October 15, 2015)
http://www.nytimes.com/2015/10/16/opinion/a-grim-decision-on-afghanistan.html?_r=0

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