田部康喜のTV読本

2015年11月18日

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田部康喜 (たべ・こうき)

東日本国際大学客員教授

福島県会津若松市生まれ。幼少時代から大学卒業まで、仙台市で暮らす。朝日新聞記者、朝日ジャーナル編集部員、論説委員などを経て、ソフトバンク広報室長に就任。社内ベンチャーで電子配信会社を設立、取締役会長。2012年春に独立、シンクタンク代表。2015年10月から東日本国際大学客員教授として地域振興政策を研究、同大・地域振興戦略研究所副所長を兼務。

 「偽装夫婦」のテーマは、家族とはなにか、にある。シリーズは毎回、小さな事件が起きて、そして家族が愛し合うことの難しさと暖かさを描いていく。

 第6話(11月11日)は、超治が園長代理を務める幼稚園の園児がいなくなる。母親の水森しおり(内田有紀)は実は、弁護士の夫から家庭内暴力を受けて娘の園児とひっそりと暮らしていたのだった。居所をつきとめた夫によって、娘は実家に連れ去られた。

 ヒロと超治は、園児の奪回作戦をたてる。宅急便業者の保(工藤)が配達を装って、娘の実家に入り込み、あらかじめ録音しておいたが母親のしほり(内田)が外に出るように、という声によって、娘を救い出す。

 そして、ヒロの素人とは思えない法律知識によって、再び娘を取り戻しにきた弁護士をやりこめて、奪回作戦は成功に終わる。

 再縁を迫る夫に対して、しほりはいう。

 「もうあなたと一緒にいるつもりはない。いまはヒロさんと暮らすのが夢だ」と。

 男女の性差を超えて、さまざまなカップルの在り方を肯定する、LGBT運動がドラマの下敷きになっている。超治と保、ヒロとしほり。家族の在り方はこれから、多様になっていくのだろう。

 こうしたドラマがゴールデンタイムに堂々と放映される時代になったことは、未来を暗示する。

 さて、「天下の美女」である天海の未来である。アラフォーを代表する女優として、アラフォーという言葉の流行に一役買った彼女は、50歳を間近に控えてどう変身していくのだろうか。あるいは、いつまで宝塚のスターシステムのような、彼女にスポットライトがあたるドラマのなかで生き続けていけるのだろうか。

 家族の在り方を問う今回のドラマの演技は、コメディアンヌでありながらシリアスな問題に切り込む二重性をもっている。天海のなかに、引き出されていない可能性はまだまだあるのは間違いない。

  
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