定年バックパッカー海外放浪記

2016年1月31日

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高野凌 (たかの りょう)

定年バックパッカー

1953年生まれの62歳。横浜生まれ、神奈川県出身。大学卒業後は商社、メーカー勤務を経て2013年定年退職。2014年春から海外放浪生活を始める。放浪歴は地中海、韓国、インドシナ半島、インドネシア、サンチアゴ巡礼など。サラリーマン時代は主として海外業務に従事。ニューヨーク、テヘラン、北京にて海外駐在を経験。身長170センチ、57キロ。獅子座。A型。現在2人のご子息は独立し、夫人との2人暮らし。孫1人。

 風光明媚なソウルに近い地方都市で高校教師をしながら読書や趣味を楽しみ静かな暮らしをしているのであろうか。学校では生徒に信頼される学究肌の教師であり、家では子供はいないが夫人と仲睦まじく過ごしているのであろう。多くを語らずとも落ち着いた人生が思い浮かぶ。子供のころに映画やTVドラマで見た石坂洋二郎の青春小説に出てくる高校教師を思い出した。

 私が近くのコンビニで買ってきたビールを飲みながらポテトチップスとフライドチキンを食べていると奥さんがお皿に焼き立てのサムギョプサルをのせて差し入れに来てくれた。格別の滋味であった。

「ぺクソルギ・プブ」
(世界一周自転車旅行を目指す夫婦)

 9月23日 曇天のなか驪州(ヨンジュ)のキャンプ場を出発。南漢江の源流である忠州(チュンジュ)市のダム湖に向かって次第に上り勾配がきつくなってくる。どうも雲行きが怪しい。出がけに驪州(ヨンジュ)のホテルのフロントで確認したら台風の影響で今夜から二日間は大雨の予報である。

 午後3時頃自転車道の脇の公園の東屋で寝転んで休憩していると荷物を満載して後ろに韓国の国旗である太極旗(テグッキ)をなびかせて通り過ぎる2台の自転車が目に入った。前後の荷台にバッグを積んでおり本格的なロングツアーの装備である。

 休憩後30分くらい走行すると前方に先ほどの自転車が見える。カップルのようである。後方の女性に追いついたので並走して挨拶すると「ソウルから夫婦で自転車旅行をしています。韓国一周する計画でソウルから釜山を目指しています」と一生懸命に英語で答えてくれた。並走しながら聞くと2ヵ月後に世界一周自転車旅行に出発する計画であり、事前に韓国一周のテスト旅行をしているところなのだと。見ると自転車、ユニフォーム、バッグ、ヘルメットなど全て新品である。

ヘルメットにビデオカメラを装着したアンドレア君

 旦那とも話したが彼は英語が苦手であり人見知りするタイプのようだ。五時頃から雨がパラパラ降ってきた。荷物が濡れないようシートでカバーしてビニール合羽を着こむ。彼らの意見では途中にはほとんど宿がないので頑張って忠州市街まで行くべきだと。驪州(ヨンジュ)から忠州まで70キロ近い。上り坂で荷物の重さを考慮すると70キロは一日の走行限界である。概算すると忠州市街まで20キロ以上ありそうである。

 それから雨中の上り坂を延々と力行する。薄暗くなって次第に気分が重くなって来たが若いカップルの前で弱音を吐くわけにはゆかない。ライトを点灯して走行していると高台の上に市街地が見えてきた。かなり大きな街のようである。急坂を登り切ると市街地に出た。

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