なぜもてるスペイン冒険野郎
韓国社会の人種ヒエラルキー

イワ嶺峠の美女軍団は?

　ハビエルを加えて四人でイワ嶺峠を目指して山道を登ってゆく。私一人であれば押し歩きしながらダラダラと休み休み進むのであるが、どうも若い人たちと一緒だと見栄を張ってしまいギブアップできない。途中で一回水飲み休憩しただけで峠まで押し歩きせずに登り切ってしまった。最後の短いトンネルを抜けると峠の展望台である。

　同じグループらしい沢山の女子がチャラチャラと記念写真を撮っている。よく見ると男性もおり、そのうちに横断幕を掲げて全員で集合写真を撮り始めた。「LGエレクトロニクス」と読める。近寄って聞くと大手財閥系電気メーカーLG電子の労働組合の遠足とのこと。韓国の労働組合というとひと昔前は長期ストで経営側と対抗して強引に要求を貫徹するという強面のイメージであったが、時代は変わって労使協調ソフト路線になってきたようだ。我々自転車四人組もジョインして一緒に和気あいあいと記念撮影する。

コリアン・ホスピタリティーのヒエラルキー構造

　イワ嶺峠を越えると長い下り坂がくねくねと続く。果樹園が沢山ある。桃や梨などが実をつけている。果物の土産物屋が並んでいる。四人で土産物屋を冷やかしで見ていると店番のおじさんが桃や梨の皮をむいてハビエルに食べろと手真似している。チョンヒがハビエルに通訳している。そのうちに隣近所の土産物屋からも地元の人たちが集まって来てハビエルを取り囲んであれやこれやと質問している。チョンヒがスペインから出発して自転車世界旅行していることを通訳して伝えると歓声があがった。ハビエルは持ちきれないほどの差入れの果物をもらってニコニコと国際親善している。