世界潮流を読む 岡崎研究所論評集

2015年11月27日

»著者プロフィール

 アメリカン・エンタープライズ研究所(AEI)のシュミット研究員が、ウォールストリート・ジャーナル紙に10月19日で掲載された論説にて、米キューバ関係の正常化を引き合いに、過去の束縛から解放され、台湾とより正常な関係を持つべきである、と論じています。

Getty Images

「一つの中国」意識薄れる台湾

 すなわち、オバマ大統領は、キューバとの関係正常化について、過去の足枷からの解放である、と言った。この論理は、台湾にも適用されるべきであろう。「中国は一つ」であり、それを支持することが必要という外交的ごまかしに基づき、台湾は米国により主権国家として承認されていない。

 国交正常化当時、中華人民共和国と中華民国の双方が、台湾と本土への主権を主張していた。しかし台湾はもはや台湾以外に主権を主張していない。これは、とりわけ民進党に当てはまる。民進党員は、台湾は中国の一部ではないと明確に考えている。これは、ごく少数の台湾人しか自分を中国人と考えていないという一貫した世論調査の結果に支持された考え方である。イタリア系アメリカ人やアイルランド系アメリカ人同様、民族的に中国人ということは、祖先の国である中国に住みたいとか支配されたいということを意味しない。

 台湾での世論調査は、1月の総統選での民進党の蔡英文の勝利、立法院での民進党の多数派獲得の可能性を示唆している。昨年の地方選挙では、「一つの中国」により共感を持つ国民党が史上最悪の敗北を喫した。

 蔡英文と民進党指導部は、現状の変化を求めて両岸関係を荒立てる意図がないことを明確にしているが、習近平は2013年に、台湾政府の交渉相手に対し、「一つの中国」の目標達成については、何世代も先送りするわけにはいかない、と述べた。

 来るべき台湾の選挙は、中国が、近代的で無害な台頭する国家なのか、19世紀の台頭勢力に似ているのか、テストするものとなろう。

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る