WEDGE REPORT

2015年12月3日

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 「中小企業の方からは、僕のことを採用したいという熱意を強く感じていたので、内定辞退のときは本当に申し訳なかったです。ただ、就活って人生の分岐点じゃないですか。だから、わがまま言っても安定した大手に入社したいと思いました」

 日本大学に通う白田信平さん(仮名)は、中小企業4社の内定を辞退した。経団連の指針により、加盟企業は従来よりも4カ月スケジュールを後ろ倒した今年の採用活動。多くの中小企業が大手企業より先に選考を始め、内定のピークは6月となった。しかし選考解禁日の8月1日以降に経団連企業から内定が出始めると、中小企業では内定辞退が相次いだ。白田さんも最終的には大手の鉄道会社を選んだ。

内定出しのピークは6月だった
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 これまで採用力に定評があった中小企業の多くが、今年は苦戦を強いられている。防水材メーカーの田島ルーフィング(東京都千代田区)では営業職で17人に内定を出したが、8人が辞退した。「内定を出しても、他社も受けたいからと、入社を決断してくれないことが多かった」(田中保江総務部課長代理)。人員確保のため来年2月頃までは採用活動を続けるという。

 結婚式場運営のワタベウェディング(京都府京都市)は大手の後ろ倒しを見すえ、今年から「ハイパフォーマンスNO1採用」と称して部活動や論文での成績優秀者を対象に、通常の選考より早く、4月から面接を行った。8人の内定者を出したが、入社の意思を示したのは1人のみ。7人は金融・不動産等の超大手企業に流れた。

 「大きな獲物を逃したという気持ちもありますが、今まで出会えなかったような優秀な学生に接触することができたのも事実。来年度以降も積極的に挑戦していきたい」(同社採用担当者)

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