2024年4月19日(金)

WEDGE REPORT

2015年11月25日

 シリコンバレーのインベスターがこうした大麻関連のベンチャーに資金を提供し始めたのは2013年以降のこと。それまでは非合法というイメージもあり、こうしたビジネスは健全な投資家からは敬遠される傾向にあった。しかし13年にコロラド、オレゴンがレクリーエンション目的の大麻合法化を決定したことから、潜在的なマーケットに注目が集まるようになった。

オバマ政権は連邦政府として大麻は非合法
という姿勢を崩していない

 現在まさに雨後のタケノコのごとく登場している大麻関連ビジネスだが、死角はないのか。それは今後の政府の大麻政策による。オバマ政権は連邦政府として大麻は非合法、という姿勢を崩していないが、反面合法化を決定した州に介入は行っていない。しかし次の政権が同じ姿勢を取るかは不明だ。

 また、現時点では大手ソフトウェアデベロッパーは大麻ビジネスに興味を示していないが、今後の成長により無視できない存在と見なせば、大手がこの市場に参入しベンチャーは生き残れない時代が来るかもしれない。

 大麻ビジネスがその動向に最も注目しているのは、全米最大の大麻市場でもあるカリフォルニア州。同州は医療用大麻の売り上げだけでレクリーエンション大麻を合法化している州すべての売り上げを上回る巨大市場だ。そのカリフォルニアでは、ナップスターの創業者であり元フェイスブック社長のショーン・パーカー氏を中心とする、シリコンバレーの億万長者が多く賛同する「大麻合法化への運動」が起きている。カリフォルニアが合法化に踏み切れば「ドミノ倒しのように」全米で大麻合法化が一気に広まる可能性があるという。

 そもそもレクリーエンション大麻を認めていない州でも、一定量以下の大麻所持は刑法に問われず罰金刑のみ、というところも多い。大麻摘発に費用を投ずるのは警察、司法組織にとって効率が悪い、という考え方だ。医療用大麻も名目だけで実際にはレクリーエンション目的で使われるケースがほとんど。米国の大麻自由化への波は止められず、大麻関連ビジネスは今後ますます注目を集めることになりそうだ。

  
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