WEDGE REPORT

2015年12月6日

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 11月4日から11日までの8日間に渡って開催された映画の見本市「アメリカン・フィルム・マーケット(AFM)」。このうち、11月6日から10日までは、資金調達、中国、売り込み、映画製作、映画祭、配給の6つをテーマに、11のカンファレンスが開催された。「毎年、参加者にアンケートを募り、参加者が最も興味のある題材を選択してカンファレンスを行っている」。こう話すのは、AFMを主催するインディペンデント・フィルム&テレビジョン・アライアンス(IFTA)の副社長、ジョナサン・ウルフ(Jonathan Wolf)氏だ。

中国カンファレンス(AP Invision/ Dan Steinberg & Richard Shotwell)

 なかでも、興味深いのが、AFMで今年初めて取り上げられた中国をテーマにしたカンファレンスで、カンファレンス初日(11月6日)に、2部構成で行われた。

中国で人気の映画はコメディとドラマ

 まず、第1部「中国の映画製作」では、5人のパネリストを迎えて、中国の俳優や製作スタッフ、文化、規制、映画製作や共同製作の現状について、アメリカの映画製作などと比較しながら討論された。まずは、映画プロデューサー、ワング・チャンユン(Wang Tianyun)氏から、中国の映画市場に関する現状が伝えられた。

 「中国には約13億人の人口がいるが、まだ、すべての人たちが映画を鑑賞しているわけではない。このため、中国の映画市場は、中国やアメリカにとってまだ開拓の余地があり、とてもエキサイティングだ」。

 また、中国では年間600本の映画が製作されているが、ハリウッド映画のような優れた大衆エンターテインメントの作品ではないため、著名な映画プロデューサーなどと共に作品を作りたいと話す。つまり、映画プロデューサーや脚本家たちには、大きなビジネスチャンスがあるというわけだ。

 「一度、この分野の作品を完成させると、中国では大ヒット作になる可能性が高い」と続けたのは、VFX(ビジュアル・エフェクツの略)の「ベースメディア」創設者、クリス・ブレンブル(Chris Bremble)氏。その他、「予算管理やスケジュール調整の分野も、中国ではまだ弱く、この分野でもビジネスチャンスがある」と続けたのは、ラインプロデューサー(日々の現場状況や制作状況を把握して、 予算面やスケジュール面などで問題がないかを管理する役割)の、リック・ネイサンソン(Rick Nathanson)氏。

 次に、中国の映画製作の現状について、ブレンブル氏が解説。「中国で最も影響力がある映画分野は、コメディやドラマ。この分野で中国語で脚本が書けると、影響力は大きい」。また、これまで中国では、大作仕掛けの映画製作に欠かせないVFXに20万ドルしか予算を当てなかった。このため、ハリウッド映画に見られるような大仕掛けの映画製作ができなかったが、この5年でVFXに1000万ドル以上の予算を当てるようになった。

 「こうして中国の映画産業では、大作や大仕掛けの映画を作るために激しい競争が見られるようになってきた」

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