オトナの教養 週末の一冊

2015年12月13日

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本多カツヒロ (ほんだ・かつひろ)

ライター

1977年横浜生まれ。2009年よりフリーランスライターとして活動。政治、経済から社会問題まで幅広くカバーし、主に研究者や学者などのインタビュー記事を執筆。現在、日刊サイゾーなどに執筆中。ブログ:http://golazo-sala.cocolog-nifty.com/pinga/

さらなる多様化を遂げる米国社会

ーー他にはありましたか?

渡辺:数十年前までは、アメリカで会う人の名前は同じような、決まった名前の人が多かったんです。稀に、発音が難しい、移民の方がいました。ところが、最近は逆転し、アメリカ人のファミリーネームはかくも複雑なのかと実感しました。そういった意味では、ますますアメリカは多様化し、社会面での個人化を促していると感じました。

Getty Images

ーー社会面で個人化するのか、しないのかというのは宗教的な影響が強いのかなとも思います。

渡辺:宗教面での基本的な価値観は、個人化を防ぎ、人々を束ねる働きがあるので、個人化が進む反動として宗教的なものに寄依していく傾向は常にあると思います。

 ただ、オバマ大統領は09年の就任演説の中で無宗教の人もアメリカ人なんだという肯定的な発言をしています。これは先ほど申し上げたように、無宗教の人が約20パーセントと急増し、無視できない存在になっている背景があります。同性婚についても然りです。

 一方では個人化の揺り戻しとして宗教を重んじる人が増えていますが、宗教もあくまで個人の選択の問題と考えて、信じない人も増えているのが現状です。

ーー最後に一部アメリカのメディアでは安倍政権に対し「ナショナリスト」という批判もあったと記憶しています。実際にアメリカでシンクタンクや政府関係者と会う機会もあると思いますが、オバマ政権の安倍政権に対する評価、また対日政策での民主党と共和党の差はどんなところでしょうか?

渡辺:もともと対日政策に関しては、民主党も共和党もそれほど大きな違いはありません。秘密保護法やTPP、安保法制など、アメリカにとって助けになることを着実に実行してくれているので、いわゆる政策コミュニティの中では民主党、共和党問わず安倍政権への評価は非常に高いです。中国の軍事拡張などへの懸念もあって尚更です。イギリスやイスラエルの首相よりも安倍総理の方がよほど信頼されていると思います。

 第1次安倍政権時に、戦後レジームからの脱却を掲げ、東京裁判など戦後アメリカが関与してきたことを否定するような動きが見え隠れした際には警戒心があったかもしれませんが、このところの70年談話などを見て安心しているのではないでしょうか。日米関係は私が知る限り、戦後、最も良好なのではないでしょうか。

  
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