今月の旅指南

2015年12月25日

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狩野直美 (かのう・なおみ)

東京生まれ。フリーライター。旅行業界誌の記者・編集者を経て、1994年からフリーランスに。主に海外旅行関連誌、ウェブマガジン等に記事を執筆中。

サンドロ・ボッティチェリ 《聖母子(書物の聖母)》 1482-83年頃 ミラノ、ポルディ・ペッツォーリ美術館蔵
(c) Milano, Museo Poldi Pezzoli, Foto Malcangi

 イタリア・ルネサンスの巨匠の一人、サンドロ・ボッティチェリ。15世紀後半、栄華を極めたフィレンツェを舞台に活動。流麗で繊細な線描に象徴される画風はメディチ家などのパトロンに愛され、祭壇画から肖像画まで数々の傑作を生みだした。このたび、日本・イタリア国交樹立150周年を記念し、日本初の本格的な回顧展が開かれる。

 本展にはフィレンツェをはじめ、各国が所蔵するボッティチェリ作品20点以上が出品される。ボッティチェリが師事したフィリッポ・リッピや、その息子でボッティチェリの弟子でもあるフィリッピーノ・リッピなどの作品もあわせて紹介。往時の華やかな時代の息吹に触れることができる。

 会場には、三博士がイエスの誕生を祝福する場面を描いた「ラーマ家の東方三博士の礼拝」や、フィレンツェ一の美女がモデルの「美しきシモネッタの肖像」などの名作が並ぶ。また、ボッティチェリの代表作「ヴィーナスの誕生」と同時期に描かれた「聖母子(書物の聖母)」は、衣服の刺繍から書物の文字に至るまで緻密な描写の装飾性が秀逸で、円熟期のボッティチェリを象徴する傑作だ。

 多くが板に描かれたボッティチェリの絵画がまとまって海外に出品されるのは異例のことだけに、ぜひ足を運んでみたい。
 

<開催日>ボッティチェリ展(2016年1月16日~4月3日)
<会場>東京都台東区・東京都美術館(山手線上野駅下車)
<問>☎03(5777)8600
http://www.tobikan.jp/

*情報は2015年11月現在のものです。料金・時間・休館日などの詳細は、お出かけの際、現地にお確かめください

◆「ひととき」2016年1月号より

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