WEDGE REPORT

2015年12月17日

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土方細秩子 (ひじかた・さちこ)

ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

 12月1日、長女マックスちゃんの誕生に合わせて「自分が保有するフェイスブック株の99%を将来にわたり慈善事業に寄付する」と発表して世界中を驚かせた同社CEO、マーク・ザッカーバーグ氏(31)。しかし総額450億ドルと言われる巨額の寄付を今後数十年かけて行うという行為と同等かそれ以上に社会にインパクトを与えそうなのが、「2ヶ月間の育休」宣言だ。

Facebook CEO、マーク・ザッカーバーグ氏(iStock)

巨額寄付より注目集める企業トップの“育休”

 元々同氏は「仕事と個人生活」のバランスを大事にする、新世代の経営者として知られる。寄付の話は世間を驚かせはしたが、単純計算しても99%の株式を寄付したとしても夫妻の手元に残る金額は4億ドル以上。普通の人間には一生かかっても使い切れない額だ。ならばむしろ寄付にした方が節税効果も高い、といううがった見方もある。

 一方、フォーチュン500に名を連ねる企業のトップが2ヶ月の育休を取る、というのは前代未聞であり、米国の育休、特に「イクメン」に関する議論を巻き起こしそうだ。

 実は米国は先進国で唯一母親の有給の産休制度を企業に義務付ける法律がない。産休、育休ともに企業の裁量に委ねられている。しかも公的な保育所制度もなく、若い世代が子育てするには辛い環境でもある。 

 もちろん無給での育休は認められるが、ある調査によると育休を申請した男性の76%は子供誕生後一週間以内に職場復帰している。昨年の実績では6週間以上の育休を取る父親は10%以下だった。 

 しかもこれは育休を申請した男性に限っての結果だ。男性に対し育休を認める会社は、今年の実績でも全体の17%にすぎない。

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