今月の旅指南

2009年10月28日

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辻 一子 (つじ・いちこ)

岡山県生まれ。フリーライター。旅行会社のPR誌の編集者を経て、1998年からフリーランスに。旅の雑誌を中心に活躍。

 
アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック 「歓楽の女王」1892年 リトグラフ (京都工芸繊維大学美術工芸資料館所蔵)

 ロートレックといえば、モンマルトルの歓楽街を思い浮かべる人が多いと思うが、出自は、南仏アルビで1000年以上の歴史をもつ大貴族の家柄だ。

 絵の道に進んだのは、少年時代の骨折がもとで両脚の成長が止まるという不幸に見舞われたのがきっかけだという。当時、大衆文化が花開いていたパリへ向かったロートレックは、やがて「ムーラン・ルージュ」などの娯楽施設が立ち並ぶモンマルトルに住み着く。

 そこで彼は、ダンスホールや劇場、娼館などに入り浸り、歓楽の世界に生きる人々の華やかな姿や悲哀を描くようになる。型破りで大胆な構図、鮮やかな色彩、生き生きとした人物像……。オリジナリティーあふれる彼の作品は、当時の画壇に大きな影響を与えたといわれる。ロートレックは36歳という若さでこの世を去るが、その短い生涯の中で、マネ、ドガ、ゴッホ、ゴーギャン、ヴュイヤール、ボナールら多彩な画家たちと親交を持った。彼の作風は、こうした画家たちとの交友を通して創り上げられたともいえる。 

 今回の展覧会では、国内外のロートレック作品とともに、交流のあった画家たちの作品も紹介される。交友関係に焦点を当てることで、新たなロートレック像が見えてくるにちがいない。

 

 
 
 
 

Bunkamura20周年記念企画  ロートレック・コネクション 愛すべき画家をめぐる物語
東京都渋谷区・Bunkamura ザ・ミュージアム(山手線渋谷駅下車)
〈問〉03(3477)9413
www.bunkamura.co.jp/

◆関連記事 
浮世絵の影響を受けたロートレック ―展覧会プロデューサーに直撃インタビュー

◆「ひととき」2009年11月号より

 

 



 

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