“バリアバリュー”で世界狙え
障がい者だからできる事業とは

初瀬勇輔&㈱ミライロ垣内俊哉さん


大元よしき (たいげん・よしき)  ライター

1962年東京生まれ。外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆中。著書に『あの負けがあってこそ』『命のバトン―自閉症児と個性派不登校児の教室』『1万回の体当たり―タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』(以上ウェッジ)、『一緒に見上げた空』(扶桑社)。

障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド

『障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド』 
障害者雇用支援コンサルタントの初瀬勇輔が、教育、ビジネス、スポーツ、福祉など社会で活躍する障害者と対談を行い、障害者を取り巻く現状を伝えるともに、障害者の活躍の場や雇用創出のヒントを探ってまいります。

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「障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド」の第2回は、株式会社ミライロ代表取締役社長の垣内俊哉さんをお迎えしました。垣内さんは立命館大学に在学中に㈱ミライロを設立し、バリア(障がい)をバリュー(価値)に変える「バリアバリュー」という理念を掲げて、新しい視点から日本と世界をデザインしていこうと活躍されています。

ミライロ代表取締役社長の垣内俊哉さん

新しい社会をデザインする会社とは

初瀬:まずは御社の業務内容についてお伺いしたいと思います。

垣内:ミライロは私が大学3年時に法人格を有してから6年が経っています。東京、大阪、福岡に拠点を構えて、従業員は30名。ハードとソフトのコンサルティングを行っている会社で、ハードは建物や設備でソフト面では従業員の教育、研修を行っています。

 クライアントは商業施設、レジャー施設、ホテル、結婚式場、飲食店にいたるまで様々な業種業態に及び、段差にはスロープを、階段しかなければエレベーターを提案するのですが、環境によってはハードを変えられない場合があります。

 そういったケースでも「ハードは変えられないけれど、ハートは変えられる」というコンセプトのもと、段差におけるサポートの方法さえ従業員が心得ていれば、十分にお客様をもてなすことやサポートすることができますよね。そういった観点からハードのみならずソフトまで含めて、ユニバーサルマナー検定という資格を運営しています。

 2011年にユニバーサル研修という形で大阪のユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)からスタートして国内で延べ2万人ほど、2013年からはユニバーサルマナー検定と形を変えて約7千人の方に取り組んでいただいております。

 講師は障がいの有る人が務めて当事者の視点を活かした内容になっています。

初瀬:講師が障がい当事者ということであれば、障がい者だからこそ気づくことや、伝えられることがあるということですね。それは社会的に見ても意義のある取り組みです。そこがバリアバリューという発想に繋がっていくのでしょうか。

垣内:私たちがバリアバリューという理念を掲げているのは、障がいを克服するにとどまらず、障がいを強みに変え、価値に変えていくことが大切だと言いたいからです。たとえば車椅子に乗っている私の目の高さは106cmです。その目線だからこそ気づけることがあるんです。段差やU字溝など、ハードを変えていくことはもちろん、思いや考え方を伝えることでハートを変えていくことができると思っています。

 ただし注意すべきことはバリアを価値にしても、武器にしてはいけないということです。障がいを武器にすると誰かを傷つけることに繋がりかねません。

 私がミライロを株式会社にしたのは、車椅子の視点からアドバイスするのではなく、「ここをバリアフリーにしたら、お客さんが増える。売上が増える。クレームが減る。お客様満足度が高まる」と提案して、経済活動を高めることに着目しなければならないだろうと考えたからです。バリアフリーへの取り組みは、社会性と経済性の両輪があってこそ継続できることだと考えています。

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「障害と共に生きる~社会で活躍するチャレンジド」

著者

大元よしき(たいげん・よしき)

ライター

1962年東京生まれ。外資系IT企業からライターに転身。スポーツのほか、歴史関連も執筆中。著書に『あの負けがあってこそ』『命のバトン―自閉症児と個性派不登校児の教室』『1万回の体当たり―タックルマン石塚武生 炎のメッセージ』(以上ウェッジ)、『一緒に見上げた空』(扶桑社)。

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