2024年4月25日(木)

WEDGE REPORT

2016年1月10日

 展示ブースでも同じだ。一応展示の中心はコンセプトカー「FCVプラス」だった。「サステイナブルでコネクテッドな水素社会のビジョン」という説明で、車の外側に水素発電装置を設け、そこから車と家庭双方に電力供給ができる、というのがウリだ。

KIKAI

 一方で、「KIKAI」と名付けられた、メカ部分を剥き出しで見せる少々レトロなイメージのコンセプトも展示されていた。トヨタの「モノ造り」の姿勢を見せるモデルではあるのだが、未来のスマートモービル社会とKIKAIコンセプトとの関係性が見えてこない。

 次世代コネクテッド・サービス・システムの紹介も、ライバル他者のスマートホームとの連携などと比べると「Agent+を使ってドライバーの行動を予測し、自動的に効率良いルートなどを選択する」という程度。つまりドライバーが毎朝8時に出勤する、ということを車が記憶し、8時に車に乗れば自動的に会社への経路をナビする、というような内容だが、やや物足りない感がある。

 トヨタの開発の多様性を示すのが目的かもしれないが、TRI設立が第一義ならば自動運転システムに特化した方向性を示す、あるいは自社がトップとなったFCV開発の利点を強調する、など記者発表と展示双方に焦点を絞りきれないブレがあった。世界一の自動車メーカーの展示内容としては、斬新さに欠け無難にまとめられた印象が拭えない。

  
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