BBC News

2016年1月18日

米大統領選に向け民主党から出馬した候補の討論会が17日、サウスカロライナ州で行われ、ヒラリー・クリントン前国務長官とバーニー・サンダース上院議員(バーモント州選出)が銃規制や医療をめぐって激しい舌戦を展開した。

クリントン氏は銃規制についてサンダース議員の投票行動を銃業界寄りだと非難し、医療制度に関する同議員の提案では現行制度がうまくいかなくなるとした。一方、サンダース議員はクリントン氏が2008年の金融危機を引き起こした金融機関の言いなりになっていると批判した。

クリントン氏は全米の支持率でトップを維持するが、大統領選で重要な一部の州ではサンダース議員が優勢となっている。

サンダース議員は討論会が始まる2時間前、医療の皆保険制度の導入に向けた提案を発表した。

2月1日にはアイオワ州で民主党の党員集会が開かれ、候補者選びが本格化する。今回は党員集会前の最後の討論会になる。

マーティン・オマリー前メリーランド州知事も討論会に参加。討論会で個人攻撃は少なかった。

<英語ビデオ>クリントン氏はサンダース氏の過去の投票歴を見れば銃ロビーを支持していると非難した

サンダース議員が発表した医療保険制度案では、国民は「収入比で2.2%の保険料」を支払い、企業は別途、社員の収入比で6.2%を医療保険に拠出する。サンダース議員の選挙運動ウェブサイトには、「米国の労働者が賃金引上げと医療保険の改善のどちらかという選択をしなくて済む」ようになると説明している。

クリントン氏は現在の医療保険改革法を廃止すれば、民主党内に「激しい議論」を巻き起こすと述べ、党は「オバマケア」とも呼ばれる現制度の向上に取り組むべきだと語った。

サンダース議員はこれに対し、「誰も(オバマケアを)めちゃくちゃにしようとしていない」と述べ、提案はオバマケアに加えられるものだと説明した。

2時間にわたった討論会の最初の議題は銃規制だった。討論会の会場は昨年6月に銃乱射事件で9人の会衆が射殺されたチャールストンの教会の近くにある。

クリントン陣営は今週、銃規制をめぐりサンダース氏を批判するテレビCMの放送を開始した。サンダース氏の地元バーモント州は人口の銃所有比率が全米で最も高く、2世帯に1つが銃を所有している。

クリントン氏はサンダース議員が銃業界のロビー(圧力団体)を支持する投票行動をとったと非難。サンダース氏は全米ライフル協会(NRA)から「投票歴でDマイナスの評価」を受けたとし、オバマ大統領が今月初めに発表した銃購入時の身元確認ルールの厳格化を全面的に支持していると語った。

オマリー前知事はメリーランド州で戦闘突撃銃の禁止法案を成立させた実績を強調し、「まともなハンターでシカ猟にAR‐15(半自動ライフル銃)が必要だと語るような人には会ったことがない」と語った。

討論会ではこのほか、候補者らは以下の論点を議論した。

 ・外交: クリントン、サンダース両候補は、シリアへの地上軍派遣に反対するオバマ大統領を支持し、イランとの外交関係の改善に賛成すると述べた。

 ・ミシガン州水質汚染: クリントン氏はミシガン州フリントで水源の切り替えに端を発した水道水の鉛汚染に触れ、「全国民が怒るべきだ」と述べた。サンダース氏は同州のリック・スナイダー同州知事は辞任すべきだと語った。

 ・銀行: サンダース氏は、銀行が犯罪行為で起訴されないで済む一方で、「マリフアナを吸引した若者が刑務所に入れられる」のは「非常に変だ」と語った。同氏はまた、クリントン氏が大手投資銀行ゴールドマン・サックスから講演料として60万ドルを受け取ったと非難。これに対してクリントン氏は、サンダース氏がオバマ大統領が金融機関から政治献金を受け取ったことを批判していると逆に非難した。

複数の世論調査によると、近く党員集会が開かれるアイオワ州でクリントン氏とサンダース氏は互角の支持率を得ている。クリントン氏は一時支持率で大きくリードしていたが、サンダース氏が追い上げている形だ。

その一方、アイオワ州の8日後に党員集会が予定されているニューハンプシャー州では、サンダース氏が支持率でリードしている。

討論会ではさらに……

 ・クリントン氏はロシアのプーチン大統領との関係を「面白い関係」と表現。さらにプーチン氏のような「いじめっ子」に負けたりはしないと語った。

 ・サンダース氏は地球温暖化に関して共和党と意見が異なるとし、「温暖化は中国人が言い出したでまかせだと信じるトランプ氏のような人物を合衆国大統領に選出することなど理解できない」と語った。

 ・討論会では、サンダース氏が「腐敗(corrupt)」や「革命(revolution)」という単語を頻繁に使った一方、クリントン氏は「築く(build)」、「オバマ」という言葉を多く口にした。

<解説>キム・ガッタス記者(チャールストン)

活発で中味のある議論だった。これまで3回あった討論会よりも論戦は激しかったが、それでも共和党のどの討論会と比べても礼儀正しい雰囲気だった。

バーニー・サンダース氏はアイオワ州やニューハンプシャー州でこのところ支持率が上昇していることもあり、積極的に論陣を張った。それでもクリントン氏は依然として全米支持率で2ケタもリードしており、今回の討論会でも米メディアは勝者はクリントン氏だと評価している。

オマリー前知事はまったく目立たなかったが、クリントン氏とサンダース氏は、特に銃規制やヘルスケア政策でそれぞれの違いを際立たせることに力を入れた。

バーモント州選出のサンダース氏は北部各州で支持を広げているが、アフリカ系アメリカ人や他の少数派の支持を得るのに苦戦している。

(英語記事 US Democratic debate: Candidates spar on gun control)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35340501

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