ヒットメーカーの舞台裏

2009年11月8日

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池原照雄 (いけはら・てるお)

ジャーナリスト

1950年生まれ。専門紙や全国紙の経済記者として自動車、エネルギー、金融、官庁などを担当。00年からフリーになり幅広い執筆、講演活動を展開。著書に「トヨタVSホンダ」(日刊工業新聞社)、「図解雑学 自動車業界のしくみ」(ナツメ社)など。

 テレビにつなぎ、画面上に国や都市の解説などさまざまな情報を映し出す。実勢価格は約3万円と安くはないが、図鑑やクイズといった楽しく学べるコンテンツもあり、子供だけでなく親心にもアピールしている。7月に発売し、初年度3万個の計画を上回るペースでの売れ行きだ。

エポック社「TV地球儀」
テレビにつなぎ、画面に様々な情報を映し出す。図鑑やクイズなどのコンテンツも充実している

 地球儀から情報を引き出す手順が面白い。本体(台座)に接続されたペンで、地球儀にタッチすると文字や写真が出てくる。目視できないものの、地球儀には2次元コードが無数に印刷されており、それをペン先のセンサーが読み取るのだ。2次元コードに該当する情報は本体に内蔵されたメモリーに記録されており、瞬時にテレビ画面上に映し出される。

 例えば地球儀上の国や首都の印字部分をタッチすると、その解説や写真が引き出せる。同様に大陸や海洋に関するもの、日本については都道府県ごとの解説が収録されている。こうした地理情報のほかに、世界遺産や男児に人気のカブトムシ・クワガタ、恐竜などの図鑑もコンテンツに加えられている。

 また、世界の風習を「○×」で答えるゲームや、国旗、首都などを当てるクイズがあり、楽しみながら知識を蓄える仕掛けもある。情報を引き出す際は、ペンではなく本体に収容されているカタカナのキーボードで検索することもできる。

 さらに、地球儀を回すと、テレビ画面上の地球儀も同調して回転するという臨場感が楽しめる。地球儀を支える軸に回転センサーを内蔵し、画像を同調させるようにしたものだ。盛りだくさんの機能だが、地球儀自体も高級品メーカーとして知られる渡辺教具製作所(埼玉県草加市)に生産を委託、地球儀「単品」としての存在感も伝わってくる。

 開発の指揮を執ったのはゲーム・トイ事業部マネージャーの武藤明(39歳)。理工学修士を修了して1995年に入社、エポック社の看板商品である野球盤やテレビを使う体感アクションゲームなどの開発に従事してきた。

 武藤がTV地球儀の企画を練り始めたのは2007年春。競争の激しい玩具業界では「新しいものにチャレンジしないと、市場開拓はできない」と、日々アイデアを捻出するなかで浮上してきた。地球儀をテレビにつなぐという発想自体がユニークだが、エポック社は00年からさまざまなゲームや知育玩具での実績があり、武藤によると「常にテレビを意識してきた」結果だという。テレビとの連携で当初、製品化したのはバッティング(野球)やピンポンなどを身体を動かしながら疑似体験するアクションゲームだった。

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