BBC News

2016年1月27日

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テニスのトップレベルで八百長が行われているという疑惑を受けて、男子プロテニス協会(ATP)、女子テニス協会(WTA)、国際テニス連盟(ITF)、および四大大会の責任者は26日、腐敗防止対策を点検するため独立調査を行うと合同声明を出した。「テニスを今後も公明正大な競技として保つため」の調査という。

過去10年間に八百長試合と賭博が繰り返されていた疑惑について、BBCとバズフィード・ニュースが報道したのを受けて、開催中の全豪大会で発表した。

テニスの運営団体や大会主催者はさらに各国政府に対して、八百長を刑事罰の対象にするよう呼びかけた。

BBCなどが入手した資料によると、過去10年にわたりランキング上位50位以内の選手16人について、八百長試合でわざと負けたと繰り返し、不正防止機関テニス・インテグリティ・ユニット(TIU)に報告されていた。中には四大大会覇者も含まれており、疑惑がもたれた選手は全員、その後も競技に参加している。

不正防止機関テニス・インテグリティ・ユニット(TIU)の理事長でウィンブルドン大会主催団体会長のフィリップ・ブルック氏はメルボルンの記者会見で、「被害を速やかに修復するのが何より大事だ。テニスから腐敗を取り除くため、必要なことはなんでもする覚悟だ」と述べた。

「我々はTIUの業務に全幅の信頼を置いている。しかし、テニスを愛してテニスを観戦するすべての人が、テニスを公明正大なスポーツとして保つために我々が最善を尽くしていると自信を持てるよう、この独立調査を実施するのはとても大事だ」とブルック会長は意義を強調した。

BBCとバズフィード・ニュースの報道をどう思うかの質問には、「番組を観てがっかりした。何か新しいことを伝えているという感じはしなかった」と答えた。

ATPのクリス・カーモード会長は、「スポーツにとって良くない状況だ。何か最近の事案について他の競技団体を責めたい人にとって、標的にしやすい事態になっている。できるだけオープンで透明に、この事案を徹底的に点検する様子を見てもらうつもりだ。テニスが(腐敗を)受け入れる余地はゼロ、まったくない」と強調した。

カーモード氏はさらに「怪しい賭けの事例リストがあることすなわち、腐敗が横行しているという意味にはならない。警告ではあるが、証拠ではない」と補足した。

調査対象になるのは――ラッセル・フラー、BBC「Radio 5 Live」テニス担当記者(豪メルボルン)

独立調査委員会は、テニス反腐敗プログラム(TACP)の実効性を検証し、改革案を提示する。

調査委はTIUが守秘義務を維持しつつ、透明性をどうやって確保できるかについて検討する。さらに、TIUの増員や組織改革による独立性の強化も検討する。

また、教育プログラムの拡大が必要かどうかも検討課題になる。

テニスの各運営団体は調査委の勧告内容を公にし、すべて実施に移すと約束している。

疑惑の内容

資料によると、ATPは2007年の時点で、とある試合の賭博疑惑について調査を開始。対象となった2選手は不正はなかったと判断されたが、調査そのものはさらに範囲を広げて続けられた。

ATPは、ロシアや北イタリア、南イタリアのシチリアの賭博組織が八百長とみられる試合で数十万ポンドの利益を上げたと結論付けた。八百長とされた試合にはウィンブルドン大会の3試合が含まれている。

テニス競技団体に2008年に提出された非公開報告は、八百長とみられる試合に関わったとされる選手28人を調査すべきだ提言としていた。しかし、調査は行われなかった。

2009年には新たな腐敗防止規則が導入されたが、法律顧問のアドバイスにより過去の不正は問わないとした。

八百長はどのように行われたか

匿名を希望する南米出身の元選手によれば、テニス賭博を牛耳る「3大グループ」があり、選手への支払いは現金のみで、金融機関への振り込みは許されない。

テニス・サーキットの中に何人も息のかかった人間がおり、少額の掛け金を置く50~60の口座が存在し、それらを使って多額の利益を上げるという。

元選手は、「ツアーで誰もが知っている公然の秘密のようなものだが、誰も口にしない。目にはするけど、自分は自分の仕事をするだけだ」と語っている。

しかし、TIUは「八百長の証拠が握りつぶされたということは全くない」と述べている。

(英語記事 Tennis match-fixing claims: Review into anti-corruption)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35416593

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