BBC News

2016年1月28日

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オバマ米大統領は27日、小頭症の赤ちゃんが生まれる原因になっているのではないかと懸念されているジカウイルスの蔓延について、強い懸念を示し、ウイルスや治療法の開発を急ぐよう呼びかけた。

ホワイトハウスは「より良い検査方法やワクチン、治療法を開発するため、研究を急ぐ必要があると大統領は強調した。また、ジカウイルスについてすべての米国民が情報を得るようにしなくてはならないと強調した」と文書で発表した。

大統領報道官によると、オバマ氏は26日の時点で政府幹部から、ジカウイルス感染拡大の可能性について説明を受けた。米国人口の6割が住む地域に感染が広がる恐れを指摘する研究結果についても、大統領に報告されたという。

米国立衛生研究所(NIH)のコリンズ長官は、今月初めに医学誌「ランセット」に掲載された調査報告を大統領に知らせた。論文によると、暖かい季節になればジカウイルスは約2億人が住む米国の東海岸、西海岸、中西部のほとんどの地域に拡散する可能性がある。さらに、ウイルスを媒介するネッタイシマカ(熱帯縞蚊)は、米国で2300万人近くが住む湿度の高い地域に、年間を通して生息できるという。

「慎重な疫学調査と動物研究を通じて、妊婦のジカウイルス感染と小頭症の赤ちゃん出産に因果関係があるのか確認することが、今では何より大事だ」とコリンズ長官は述べ、ウイルスや治療法の開発が急務だと強調した。

ブラジル政府は26日、ウイルス対策に兵士22万人を投入すると発表。各自が故郷に戻り、感染防止の方法を説明したパンフレットを配るという。

これに先立ちブラジルのカストロ保健相は、ウイルスとの戦いでブラジルは「ひどく負けている」と認めていた。

ブラジルでは昨年10月以降だけでも小頭症の赤ちゃん誕生が3893件報告されている。以前の年間平均は160件だった。

そのほか、これまでに欧米で複数の症例が確認されており、南米からデンマークに帰国した観光客の感染が確認された。ほかにもドイツ、イギリス、スウェーデンで感染者が見つかっている。またAP通信によると、米バージニアとアーカンソー両州の保健当局が、国外から帰国した人の感染を確認した。

こうした状況で、南米最大の航空会社LATAM航空グループは、感染地域への渡航をキャンセルする妊婦についてはキャンセルや変更の手数料を免除すると発表した。

世界保健機関(WHO)は25日、ジカウイルスが米州ほぼ全域に広がる可能性があると警告した。これまでにすでにカリブ海地域、北米、南米の21カ国で感染が確認されている。感染すると発熱や結膜炎、頭痛などの症状を引き起こす場合があるが、小頭症の赤ちゃん誕生につながる可能性が何より懸念されている。

ジカウイルスとは

・ネッタイシマカやヒトスジシマカ(いずれもヤブカと呼ばれる)が媒介する。デング熱や黄熱病も同じ蚊が媒介する。

・1947年、アフリカでサルの感染から発見された。現在は中南米で感染が拡大している。

・小頭症との関連を示す証拠が積みあがっていると複数の科学者が指摘。

・発熱や湿疹を引き起こすが、ほとんどの人は感染しても発症しない。治療法は確立していない。

・現時点で感染を防止するには、蚊の温床となる水だまりを取り除き、蚊に刺されないようにするしか方法がない。

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35426168

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