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2016年1月29日

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ジカウイルスの感染被害が広がっているブラジルで、弁護士や科学者や活動家が、ジカウイルスに感染した女性に人工中絶を認めるよう最高裁に求める運動を始めた。ブラジルでは昨年10月以来、3000人以上の小頭症の赤ちゃんが生まれたとされ、ジカウイルスとの関連が懸念されている。

ブラジリア大学教授らが中心になったグループは、2カ月以内に最高裁に請願を提出する方針で、賛同の署名を集める。ジカ熱の集団感染が起きたのは、ジカウイルスを媒介するネッタイシマカを駆除しなかったブラジル政府の責任だと批判する内容になる予定という。

「政府の失策のせいで」ブラジルの女性たちが「罰を受けるべきではない」と、中絶の容認を求める方針。

ブラジルでは人工中絶は違法だが、母体に危険が及ぶ場合や強姦による妊娠の場合は例外。さらに2012年以降は無脳症の胎児についても中絶が認められるようになった。無脳症を例外として認めるよう最高裁を説得したのも、ブラジリア大学のデボラ・ディニス教授たちのグループだ。

ブラジル保健省はこれまでに270人の赤ちゃんの小頭症を確認。さらに3448人について調査中という。

ディニス教授はBBCに対して、特に貧困家庭の被害が大きいと指摘した。

「現状では一部の女性たちが妊娠を恐れ、妊娠したらどうなるか分からない状態だ」

教授はさらに「ブラジルでは一般論として、人工中絶や生殖権に関する議論は階級格差と結びついている。裕福な女性たちは合法か違法かを問わず、安全な中絶手術を受けられる。貧しい女性たちは闇市場に頼るか、妊娠を続けるしかできない」と述べた。

ディニス教授は、妊婦健診を受けやすくすると共に、小頭症などについて早い時点で検査するよう呼びかけた。

「これは中絶の問題にとどまらない、女性の権利の問題だ」と教授は強調した。

世界保健機関(WHO)は米州で今年、300~400万人がジカウイルスに感染する恐れがあるとの見通しを示している。

(英語記事 Zika virus: Activists in Brazil to petition court to allow abortions)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35436147

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