BBC News

2016年2月1日

欧州警察機構(ユーロポール)は1月31日、過去2年間に欧州に到着した子どもの移民のうち1万人以上が行方不明になっている可能性があることを明らかにした。

ユーロポールは、政府機関によって登録された未成年者の多くが姿を消しており、子どもたちが犯罪組織によって性的搾取の対象にさせられたり奴隷労働に従事させられている懸念があると警告している。

支援団体「セーブ・ザ・チルドレン」によると、約2万6000人の子どもが家族の同伴なく欧州に到着している。

ユーロポールが欧州全体で行方不明者の推計を発表したのは今回が初めて。ユーロポールの幹部は英紙オブザーバーに対し「1万人以上だと言っていいだろう」とし、「(行方不明になった)すべての子どもが犯罪の被害者になるわけではない。家族に引き渡された子もいるだろう。ただ、どこにいるのか、誰と一緒で何をしているのか分からないのだ」と述べた。

イタリア当局は昨年5月、前年夏から5000人近くの子どもが難民受付センターから姿を消したと述べていた。また、スウェーデン南部トレルボルグの行政機関は昨年10月、前月に到着した未成年の難民約1000人が行方不明になったことを明らかにしていた。

ユーロポールの報道担当官は、このほかにもギリシャ到着後に多くの未成年者が姿を消している可能性があると指摘した。2015年に海路で欧州にたどり着いた移民約100万人の大方がギリシャを通過している。現地の当局は登録などの手続きが不完全だと批判されている。

ユーロポールは、欧州で人身売買に関わっている犯罪組織が難民をターゲットにしていると指摘。保護者のいない未成年者が性的労働や奴隷労働、そのほかの犯罪に巻き込まれている懸念が高まっている。

国際移住機関(IOM)の報道担当者、レナード・ドイル氏はBBCに対し、行方不明者の子ども1万人という数字は「衝撃的だが驚きではない」とし、多くの子どもが搾取に遭うのが「予想される」と語った。同氏はまた、「EU(欧州連合)が子どもたちを見つけ出し、彼らを助け、家族と合流できるようにする取り組みを始めることを願う」と述べた。

英政府は先週、シリアなど紛争地域で難民となった保護者のいない未成年者について、支援策を明らかにしている。ただし、欧州にすでに到着している未成年者は対象にしていない。

<用語について> BBCは、亡命申請の法的手続きを終えていない、移住中の人すべてを「移民」(migrants)と呼んでいる。この中には、戦争で引き裂かれているシリアのような国を逃れて移動し、難民認定される可能性の高い人たちも含まれる。また、各国政府に「経済移民」と分類される可能性の高い、より良い職業や生活を求めて移動している人たちも、「移民」に含まれる。

(英語記事 Migrant crisis: More than 10,000 children 'missing')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35457026

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