BBC News

2016年2月2日

»著者プロフィール

ヨルダンのアブドラ国王はBBCとのインタビューで、隣国シリアで続く内戦を逃れた難民の流入で国が「沸点に達している」と述べた。

シリア支援会議が今週ロンドンで予定されるなかインタビューに応じたアブドラ国王は、難民急増がヨルダンの福祉サービスやインフラ、経済への大きな負担になっているとし、「早かれ遅かれ、『ダムは決壊する』だろう」と警告した。

さらに国王は、ヨルダンに今後も難民を受け入れてほしいと国際社会が期待するなら、もっと支援しなくてはならなくなると述べた。

国連はシリアや近隣国の2250万人に対する支援に、2017年には77億ドル(約9270億円)が必要になるとしている。2015年には29億ドルの拠出を呼びかけたが、その43%しか集まらなかった。

「重要な週」

国連が登録した460万人のシリア難民のうち、63万5000人がヨルダンで生活している。ヨルダン政府によると、このほかに100万人以上のシリア人が国内で居住しているという。これには2011年に内戦が勃発する前の移住者も含まれる。

アブドラ国王はインタビューで、難民流入のためヨルダン国民は苦しんでいると述べ、国家予算の約4分の1が難民支援に使われていると指摘。公共サービスに負担がかかっており、多くの難民が仕事を見つけられずにいると語った。

国王は、「ヨルダン国民の心理状態は沸点に達していると思う」と述べた。さらに、「教育や医療制度に負担がかかっている」とし、「早かれ遅かれ、ダムは決壊するだろう。シリア難民だけでなく、自分たち自身の将来についても支援が得られるとヨルダン人が承知するために、今週(の人道支援会議)は非常に重要だと思う」と述べた。

さらに、100万人以上の移民や難民が欧州に到着するまで、欧州各国はヨルダンが直面する問題を理解していなかったと国王は指摘した。

国王は、「ヨルダンを助けないと難民危機への対応がもっと難しくなると各国は気づいた」と述べ、ヨルダンが難民をこれ以上受け入れられなくなるかもしれないと示唆した。

4日にロンドンで開催されるシリア支援会議を主催する英国やドイツ、ノルウェー、クウェート、国連は共同声明を出し、住む家を失った1350万人のシリア人や国外に逃れた何百万人への支援を強化する必要があると主張した。

会議では、まとまった額の新たな資金の獲得や長期的な資金集めの計画策定、雇用創出や教育の提供によってシリア内戦の影響を受けた人々の長期的なニーズに答えることを目指している。

欧州連合(EU)の高官は1日、ロイター通信に対しEUが20億ユーロ(約2630億円)の拠出を支援会議で表明すると述べた。クウェートで1年前に開かれた支援会議では、EUは11億ユーロを約束している。

国王は、北部国境沿いの砂漠地帯に足止めされたシリア難民1万6000人の受け入れをヨルダンが渋っているという、国際社会の非難に反論。難民に過激派組織「イスラム国」(IS)の分子が紛れ込んでおり、1日当たり50人から100人が「厳格な審査を経て」入国を許可されていると説明した。

国王は、「たった1万6000人じゃないかと善人ぶって話をしたいなら、喜んで難民全員を空軍基地からあなた方の国に運んであげましょう」と語った。

国連は、国境には子どもや体力の弱った人々が厳しい状況下で足止めされており、命の危険に瀕していると警告していた。

アブドラ国王はまた、スイス・ジュネーブで始まったシリア和平協議について、ISによる世界への脅威が、政治的解決が緊急の課題だと、参加者のみならず背後で支援する米国やロシアが納得することにつながるのを期待すると述べた。

(英語記事 Syria conflict: Jordanians 'at boiling point' over refugees)

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35469079

関連記事

  • PR
  • 新着記事

    »もっと見る