トランプ、サンダースが勝った理由
極右と極左の共通点


海野素央 (うんの・もとお)  明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

海野素央のアイ・ラブ・USA

コミュニケーションの専門家が、大統領選挙活動を中心にアメリカの動向を報告するほか、インターナショナルな場面でのコミュニケーションのあり方を説く。

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アメリカ大統領選挙の第2戦、ニューハンプシャー州での予備選挙は、共和党はドナルド・トランプ候補、民主党はバーニー・サンダース候補が勝利を収めた。共に2位にはダブルスコアでの圧勝となった。先週金曜日までニューハンプシャー州コンコードに滞在していた明治大学の海野素央教授に、第2戦の結果について聞いた。

9日夜、ニューハンプシャー州コンコードで勝利演説をするサンダース候補(Getty Images)

編集部(以下、——)
トランプ候補、サンダース候補、共に大勝利となりました。

海野 2人には、共通する点があります。「反エスタブリッシュメント」、「反インサイダー」です。不動産王のトランプ候補はエスタブリッシュメントではあるのですが、自身の力で成り上がった、つまり「アメリカン・ドリーム」の体現者である。こうした点が、トランプ候補が低所得者層からも支持されている所以です。

 私は、予備選の第1戦と2戦となるアイオワ州、ニューハンプシャー州に昨年の8月、10月、11月、12月、1月、そして今回と訪問してきました。そこで行った戸別訪問(1186軒)で、クリントン陣営のボランティアとして活動する中で、クリントン候補に対して「正直でない」、「ウォール街と距離が近い」という声を聞くことがよくありました。

 そして、クリントン候補が「普通の人のために戦う」と宣言して出馬したことに対して、「クリントン候補は普通の人ではない」。では、普通の人のために戦うのは誰? と聞くと、「トランプとサンダースだ」という答えが返ってきました。

 トランプ候補とサンダース候補は、スーパーパック(特別政治活動委員会)でも共通しています。これは、政治家の献金受け皿団体になります。政治家個人への献金は最大で5400ドル(予備選、本選で2700ドル)までが限度ですが、スーパーパックへの献金は無制限です。2010年に最高裁の判決によってそうなりました。実は、トランプ候補もサンダース候補も、このスーパーパックを使っていないのです。

—— クリントン候補に集まる個人献金の多くが上限の2700ドルに対して、サンダース候補は平均して27ドル程度だそうですね

海野 そうです。クリントン候補の場合、もともとそのような背景がある中で、今年1月に米CNNテレビが開催した市民集会で、「ウォール街から67万5000ドルにも及ぶスピーチ(3回分)への謝礼」が追及されました。クリントン候補こそが真のエスタブリッシュメント、正真正銘のインサイダー(職業政治家、日本でいう永田町の人)というイメージが決定付けられました。

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海野素央(うんの・もとお)

明治大学教授、心理学博士

明治大学政治経済学部教授。心理学博士。アメリカン大学(ワシントンDC)異文化マネジメント客員研究員(08~10年、12~13年)。専門は異文化間コミュニケーション論、異文化マネジメント論。08年及び12年の米大統領選挙においてオバマ陣営にボランティアの草の根運動員として参加。16年米大統領選挙ではクリントン陣営に入る。著書に「オバマ再選の内幕―オバマ陣営を支えた日本人が語る選挙戦略」(同友館)など多数。

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