ちょっと寄り道うまいもの

2009年11月27日

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 ハリウッドの派手な女優に目を奪われている間に、日本でも違う魅力の、楚々として凛とした若手が育っていた。

 あるいは、「これが日本人?」と驚かされる、欧米人的体型が育っていた。

 そう書くのは私が男だから。女性読者は、「イケメン」を思い浮かべていただきたい。

 ともあれ、これ、ワインの話である。

 国産ワインといえば、それなりに頑張ってはいても、同じ値段帯の外国産とは比較の対象ではなかった。それで、目を外に向けているうちに、素晴らしいお嬢さんたちが育っていたというわけなのだ。

 楚々として凛としたというタイプの代表が、山梨県、勝沼あたりの甲州種の白ワイン。外国のワインで似たタイプを知らない。和食と相性のよい、すっきりとしたワイン。

 欧米体型を思わせるというのが、たとえば、長野県、塩尻市桔梗ヶ原のメルロー種の赤ワイン。フランスはボルドー右岸、サンテミリオン地区などで名高い品種である。その、レベルの高いものが育っている。

 別件で信州大学の農学部を訪ねた折、塩尻も近いことを思い出した。もういけない。さて、今年はどんな具合かと足が向く。

 先に言っておくが、その桔梗ヶ原という美しい響きに期待はしない方がいい。国外のワイナリーをご存じの向きには、「これが?」とがっかりされる恐れがある。ちまちまと区切られた土地に日本的生活感のある情景。そのようなところから、ちゃんとしたワインが出来ることが、個人的には愛おしい。

井筒ワイン、生垣式のブドウ畑。
四季折々に変貌する情景を味わいたい

 生食用と同じ藤棚スタイル、あるいは国外のワイン用のブドウ畑で一般的な生垣式などが混在する畑を散歩する。さまざまな試みを実感しつつ、ぶどう園の風に吹かれる心地よさ。

 訪ねた時はそろそろ収穫かという時期だったが、この記事が掲載されるころは、すでに新酒か。それを訪ねるのも楽しいものだ。

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