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2016年2月16日

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シリア北部で15日に病院などが空爆されたことを受けて、フランスとトルコは病院への攻撃が戦争犯罪に当たるとして非難した。

国連によると、ミサイルによる攻撃で、地域全体で最大50人が死亡した。

トルコ外務省は空爆はロシア軍によるものだとしている。ロシア政府はそれに反応していない。

一方、シリアのアサド大統領は、主要国が11日に合意した1週間以内の「戦闘行為の停止」呼びかけに疑念を呈し、全ての勢力が武器を置くことを意味しないと述べた。アサド大統領はテレビ放映された発言の中で「1週間以内に停戦を求めているが、誰が全ての状況、条件を1週間で整えることができるのか」と語った。

国連は、シリア北部で相次ぐ攻撃が戦闘行為の停止の見通しに「影を落としている」と指摘した。

2つの病院と2つの学校が空爆を受けたアザズとその周辺で少なくとも12人が死亡した。

イドリブ県のマーラト・アルニューマンで国際医療支援団体「国境なき医師団」(MSF)が運営する病院はほぼ完全に破壊された。7人が死亡し、8人が行方不明となったこの攻撃についてMSFは「意図的な」攻撃だと非難した。

MSFフランスのメゴ・テルジアン会長はロイター通信に対し、攻撃は「(シリア)政府かロシアのどちらか」によるものだと述べた。

シリアのリアド・ハダド駐ロシア大使は、攻撃は米国によるものだとしたが、米国の国防総省は「明白な間違い」だと否定。国防総省のジェフ・デイビス広報官は「イドリブ県ではアイシル(過激派組織「イスラム国」の別称)は活動しておらず、攻撃する理由がない」と語った。

活動家団体によると、マーラト・アルニューマンで攻撃を受けたもう一つの病院では3人が死亡した。

「明らかな戦争犯罪」

フランスはMSFの病院への爆撃をきわめて強い調子で非難し、ジャン=マルク・エロー外相は「戦争犯罪に当たる」と語った。

トルコは攻撃が「明らかな」戦争犯罪だとした。シリア内戦で敵対する勢力を後押しするトルコとロシアの外交関係は緊張が続いている。

ロシアはシリア政府を支援し反体制派を攻撃しているが、攻撃対象は「テロリスト」のみだと主張している。

一方、英国に拠点を置く「シリア人権監視団」によると、トルコが敵視するクルド人武装勢力は、トルコによる3日間にわたる空爆にも関わらず、シリア北部のタルリファートを反政府勢力から奪った。

トルコは、シリアのクルド人武装勢力の人民防衛隊(YPG)が自国内で活動が禁止されている武装組織「クルド労働者党」(PKK)と連携しているとみている。PKKは何十年にもわたってトルコでの自治獲得を目指す運動を行ってきた。

トルコのダウトオール首相は、クルド人武装勢力がアザズ近郊の掌握を目指したならば「激しい反応」を招くと警告している。

クルド人武装勢力はシリア北部での戦乱に乗じ、国境近くの掌握地域を広げようとしてる。一方で、シリア政府軍は少し南にある反政府勢力が掌握する要衝アレッポを包囲しようとしている。

シリア問題担当のスタッファン・デミストゥラ国連特使は和平協議の再開を目指し、シリア首都のダマスカスを訪問している。

5年近く続くシリア内戦では、25万人以上が死亡し、1100万人以上が住まいを失っている。

(英語記事 Syria crisis: Strikes on hospitals 'war crimes')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35584889

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