BBC News

2016年2月18日

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英国が欧州連合(EU)からの離脱を問う国民投票を予定するなか、残留の条件として英国が提案した改革案をめぐる協議が18日からのEU首脳会議で山場を迎える。英政府高官は、改革案が「重大な局面を迎えた」と述べた。

キャメロン首相は昨年11月に改革案を提示して以来、加盟国のうち20カ国を訪問して支持を訴えてきた。

EUのドナルド・トゥスク大統領はBBCに対し、首脳たちが改革案に同意する以外に「選択肢はない」と語った。

EUからの離脱を主張する人々は、改革案は取るに足らない内容だと一蹴。変革実現には離脱支持しかないと英国民に訴えている。

トゥスク大統領は、首脳らに送付した会議への招待状で、主要な論点をめぐる「難しい」意見対立があり、合意ができる「保証はない」と述べた。

しかし、交渉は「非常に進展した段階」にあり、ここで破談になれば、「英国と同様、欧州連合にとっても敗北であり、我々を分断しようとする勢力の地政学的な勝利になる」としている。

ブリュッセルで2日間にわたり開かれる首脳会議では、英国からの改革案がまず協議されるが、移民危機も話し合われる予定。

トゥスク大統領によると、首脳らは19日の朝に改革案を再協議する予定。「法的拘束力があり不可逆的な合意」が目指されている。

協議は今月初めに発表された暫定案がたたき台になる。発表以降に交渉チームによって加えられた「技術的かつ法的な但し書き」についても議論の対象となる。

改革案には、移民に対する福祉給付の制限が含まれるが、中欧諸国の多くが反対している。また非ユーロ圏の加盟国を守る措置が提案されているが、それにはフランスが反対しているとされる。

しかしドイツのメルケル首相は、キャメロン首相の要求の大方は「正当で必要」だと述べている。

<解説>ローラ・クンスバーグ政治担当編集委員

「欧州について話し続ける」保守派議員らを時代遅れと非難していたキャメロン首相が、もう何カ月も「欧州について話し続け」、今後4カ月も、まさに欧州にについて話し続けることになるとは、いったいどういう風の吹き回しだろうか。

ごく簡単に言ってしまえば、年月の経過と共に、保守党も変化したということだ。

EUの拡大と共に、議員たちも世代交代した。欧州統合に対する熱狂的な支持もしくは激しい反発よりも、穏やかな懐疑が主流を占めるようになり、国民投票という考えも幅広く受け入れられるようになった。

ユーロ圏の金融危機と、その解決にEUが手こずったことも、欧州懐疑派の議員たちの離脱要求に勢いを与えた。

欧州をはっきり嫌うとまで言わなくとも、欧州に対するこの無関心は、欧州から英国で働きに来る人々の数の増加も背景にある。

英国にやってくる人々の波は、ポーランドなどが加盟した2004年から間もなく始まった。その人数の規模は、政治エスタブリッシュメントの予想外だった。

EU内移民が急増したからこそ、国民投票の約束はキャメロン首相にとって喫緊の政治的課題となったのだ。

(英語記事 EU summit: 'Crunch time' for Cameron's reform hopes) 

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35601184

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