WEDGE REPORT

投資の神様がYAHOOの女神を救う

土方細秩子 (ひじかた・さちこ)  ジャーナリスト

ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

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時間軸の長い視点で深く掘り下げて、世界の本質に迫る「WEDGE REPORT」。「現象の羅列」や「安易なランキング」ではなく、個別現象の根底にある流れとは何か、問題の根本はどこにあるのかを読み解きます。

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 それだけに、そんなバフェット氏の肉声を聞き、経営方針などを質問するチャンスとあって、年次総会には多くの人々が集まるのだが、今年はその総会にちょっとした異変が起きる。なんと、総会の模様をバフェット氏自身がウェブキャストすることを要請した、という。

 要請を受けたのはYAHOOだ。同社のファイナンス部門を統括するアンディ・サーワー氏によると「このところ中国からの年次総会参加要請が非常に多く、いっそウェブキャストで大々的に見せようと考えた」とバフェット氏から直々に連絡を受けた、という。

 もちろんYAHOOにとって異存はない。4月30日に総計5時間にわたるライブキャストを引き受けた。サーワー氏は「ライブキャストの期間をはさみ、かなりの宣伝広告収入が見込める」と恵比須顔。バフェット氏の「生出演」ともなれば相当数の視聴が予想されるためだ。しかもYAHOOは総会後30日間にわたり、ビデオをオンデマンド方式でリプレイする権利も受け取った。また映像をビデオ化して販売する予定もあるという。

なぜYAHOOを選んだのか?

 一方で、バフェット氏がなぜYAHOOをライブキャストの場に選んだのか、については様々な憶測が流れている。YAHOOはアマゾン、ユーチューブなどのオリジナルビデオ配信に完全に遅れをとり、昨年には同社のビデオサービス部門YAHOOスクリーンを廃止。現在は15以上のビデオマガジンを廃止、経営立て直しのためリストラの真っ最中だ。

 同社CEOマリッサ・メイヤー氏はYAHOOの経営再建の切り札として、ライバル・グーグルから引き抜かれた。しかし経営は悪化の一途をたどり、現在メイヤー氏はYAHOOの身売り、あるいは事業の一部の売却を考えている、と言われる。

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土方細秩子(ひじかた・さちこ)

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ボストン大学コミュニケーション学部修士課程終了、パリ、ロサンゼルスでテレビ番組製作に携わり、1993年より米国でフリーランスのジャーナリスト活動を行う。

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