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2016年2月19日

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英中部で発掘が進む青銅器時代の遺跡で、約3000年前の木製の車輪がほぼ完全な形で見つかった。英国で発掘された車輪としては最も大きく、最も古い部類に入るという。

発掘現場はケンブリッジシャー州ホイットルシーのマスト・ファーム採石場にあり、「英国のポンペイ」と呼ばれている。英国内の青銅器時代の住居跡としては最も保存状態が良い。

車輪には中央部も残っており直径は約1メートル。紀元前1100年から800年のものとみられる。遺跡の中で最大の円形住居跡の近くで見つかった。

発掘を指揮するケンブリッジ大学考古学調査局のデイビッド・ギブソン氏は、今回の発見が「水辺に住む人々の、川から離れた陸上とのつながりを示している」と述べた。

英国の歴史保存団体「ヒストリック・イングランド」は今回の出土品について、「大きさと保存状態の良さで過去に例を見ない」としている。同団体は土地を所有する建設資材会社フォルテラと共に、発掘費用110万ポンド(約1億8000万円)を負担している。

ヒストリック・イングランドのダンカン・ウィルソン会長は、「このすばらしくも壊れやすい車輪は、ブリテン島で完全な形で見つかった最古のものだ」と語った。

「この車輪が見つかったことで、青銅器時代の技術や、3000年前にフェン地方の片隅で生きていた人々の生活がいかに進んでいたのかについて、我々の理解を深めてくれる」

紀元前1000年から800年の遺跡には、2つもしくは3つの円形住居がある。火事によって川に崩れ落ちた住居の木材は、沈泥(シルト)の中で保存状態が維持された。

1月初旬には、馬の背骨とみられるものが見つかっており、今回発見された車輪が馬車で使われていたことを示唆する。ただ、考古学者のクリス・ウェイクフィールド氏は、車輪の用途を特定するのは時期尚早だと指摘した。

今回の車輪はこれまでで最も完全な形で見つかったものだが、この地域で最も古いものではない。ピーターバラ近くのフラグ・フェン発掘場では小さ目の車輪の一部が発見されており、紀元前1300年頃のものとみられている。最大2人を乗せた車で使われたと考えられている。

マスト・ファーム採石場からはさまざまなものが出土しており、1969年には小刀、2006年には食べ物が残った椀が見つかっている。最近ではシルトの上に建てられた円形住居が見つかった。

ウェイクフィールド氏は、「とても湿地の多いフェン地方であり、『なぜ川の水路の真ん中に車輪があるのか』という最も大きな疑問に答えなくてはならない」と語った。

「川の上に建てられた複数の家があり、その遺跡で車輪が見つかった。車輪は陸の遺跡で見つかる典型的な出土品であるはずなのに。とても、とても異例だ」

車輪の近くで見つかった動物の背骨は当初牛のものだとみられていたが、その後、馬だと考えられるようになった。

ウェイクフィールド氏は、「もし荷馬車のようなものが使われていたとすれば、(骨と車輪の間には)強い連関がある」と述べた。

「青銅器時代には、馬はとても珍しかった。より一般的になるのは、その後の鉄器時代のことだ。車輪の発見自体、非常に驚くべきことだが、さらに別の側面で探求が必要になった」と同氏は語った。

「発掘現場では多くの答えが見つかったが、同時に、予想もしなかった疑問が生み出されている」

ウェイクフィールド氏は、マスト・ファームの出土品に関するデータの分析には数年かかる可能性があると指摘した。

円形住居跡内からは、小型の木箱や大皿、形が崩れていない「上等な」ポット、台所のごみと思われる動物や魚の骨が見つかっており、研究者たちからは「驚くべき」発見だとの声が出ている。

(英語記事 Bronze Age wheel at 'British Pompeii' Must Farm an 'unprecedented find')

提供元:http://www.bbc.com/japanese/35610516

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